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午前9時から始まるセミナーなのに、家でもたもたしてて、乗ったバスは8時を過ぎていました。
こりゃギリギリかな。
車内を見渡せばお年寄りが多いね。皆さん降りるときには、慣れた手つきで敬老パスを料金箱に通してします。
今何時?・・・・あら、けっこうな時間だわ。
そうなると、丁寧に走るバスが、なんだかもどかしくなってきました。
もうすぐ黄色になりそうな青信号。行っちゃえ行っちゃえ・・・キ〜〜〜・・・行っちゃえばいかったのにい〜〜〜。
信号の停止時間さえも気にかかる。
そのバス停でも、数人のお年寄りが降りるようです。
バスが止まると、そのお爺さんは、パスを使う前にまず、運転手さんに深く一礼しました。
「どうも・・・」
それから、準備していた敬老パスをゆっくり料金箱の差し入れ口に持っていきました。触れたとたんにシュ!まるで反抗息子みたいに取り出し口から登場です。
「ありがとうございました」またまた深く一礼して、おじいさんはバスを降りていきました。
お爺さんは丁寧だけど、できれば最初の挨拶ははぶいてくれてもいかったわ。こっちは時間がないんだもの。
もどかしい気持ちが、今度はお爺さんに向きました。・・・・元はと言えば、準備にもたついていた自分が悪いのにね。
したっけさ、次のお婆さんも、ちょっと曲がった腰を一瞬のばしてから一礼しました。
「どうも・・・」
うわあ、お婆さんもお爺さんを見習ったんだね。
そして今度は、差し出し口にちょっとひっかかったけど、やっぱりシュ!っと引っ張られ、手元が動かぬうちにパスは出口から登場です。
お年寄りには、”パスで乗せてもらうのだからありがたい”という気持ちがあるのでしょうね。
その後も、バスは国道5号線を信号と停留所で止まりながら、ゆっくり進んで行きました。
バスと同じ早さで建物たちが右方向に流れて行きます。その向こうでゆっくりと景色を回して動く手稲山は、新緑がじわりじわりと下の方から迫っていく勢いです。
山頂の残雪も、残り少なくなりました。
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