朝の林に差し込む朝日に力を感じるようになりました。一段と雪の反射も眩しく感じます。
奥に進むと、林の中にカメラを持ってじっとしているおじさんがいます。
小さな声で、『何かいるんですかあ?』と声をかけてみる。
おじさんは、何者かを待っているようでした。
「え、ああ・・・・」
私が来ちゃったもので、待ち人は警戒して近寄らないのかもしれないよね。
そのとき、向こうの林の中で動くものが・・・・
『あ、エゾリス、いましたよ』
するとおじさんんは、
「こっちからもよく見えるよ来て見てごらん」
と手招きをして、おじさんの横に招いてくれました。
「もう少し待つとね、もっと近づいてくるよ」
おじさんの待ち人は、エゾリスのようでした。
『あれ、3匹いますよ!』
2匹は一緒で、その先を、もう一匹が行き先を確かめるようにヒョロヒョロと木を登ったり降りたりしています。
おじさんは「そろそろカメラ構えてるといいかも」と教えてくれました。
初対面なのに、なんていいおじさんなんだ。
ここにはエゾリスが2匹います。
私のカメラと違っておじさんのカメラには、望遠鏡のような大きなレンズがついています。
『覗いてみますか?』
『いいんですか?ありがとうございます』
持ってみると手にどっしり。わわ、重い!
これを持ってあるくのは大変だわ。
カメラは持ち主の目の焦点に合わせてあるので他人が覗いてもボケて見えてしまいます。
でもそこは老眼同士のせいなのか違和感なく見える。遠くのピントがピタ!っと合う。
「おお~、すんごいです!」
『いやいや、望遠レンズで大きく撮るのもいいけど、そればかりじゃ図鑑みたいになっちゃうからね。回りの風景も一緒にあるから季節感がわかる写真になるんですよ。もし暗く写ったって、それはそれで雰囲気がでるしね』
なるほど、そうですね。
おじさんは、私を気遣って下さったのかもしれないけれど、確かにその通りだなあと思いました。
おじさんは、2時間くらいなら、待つのはへっちゃらだそうです。
やっぱしさあ、動物達に信頼されるようになる為には、そのくらいの待ち時間なんて、な~んもさなんだべね。
あ、9時になる、事務所に戻らなくっちゃ。
もうちょっといたかったけどなあ。それでは失礼します。
おじさん、どんな写真がとれたのかな。
リスと仲良しになれるっていいな。
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