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午後4時5分。静岡発札幌行の飛行機が離陸しました。
スチュワーデスという言葉がなくなってもう随分たつけど、女性の客室乗務員さんは、いつの時代も奇麗ですね。
それに、私なら1人でふさいじゃう通路も、細身の彼女たちは、すんなりすれ違いができちゃうんですもね。
飛行機が離陸してしばらくすると、夕日が雲に隠れ始めました。
わ、きれい、写真撮ろう。
バッグの中をガサゴソガサゴソ・・・カメラに付いてるヒモを見つけたので引っ張ると、ポン!
勢いよく前方に黒いものが飛び出しました。
今のはもしや、カメラのキャップ!?
通路を見たけど見当たりません。
このうえは腰を思いっきり曲げてシートの下を覗き込むしかない、フン!
後ろの人の靴のつま先が4っつ見えるだけでした。
その体勢で今度は前のシートの下を覗いてみる。今度は前の人の靴のかかとが4つだけ。
おかしい・・・・
もしかして、丸いキャップはコロコロと通路を走っていたのかしら。
もう一度、通路の前方。それからお腹の贅肉をできる限り折り畳んで腰をフン!!っと曲げてシートの下の前方と後方。
ないね・・・。
仕方ありません。飛行機を降りるときに探すしかないと考えていた時、通路を挟んで2列前のシートに寝ていた女性の足が動きました。
ややや、靴の先に黒いものが見えるんでないかい!!
キャップかな?キャップだ!
さっそく、通りかかった客室乗務員さんにお願いすると、彼女はスっとしゃがむとスっとスマートにキャップを拾い上げました。
「ハイどうぞ」にっこり。
”ありがとうございます”
物を拾う動作もな〜んてすてき。
これなら私にだってできるもね。
ただね、フン!て、かけ声だけは出ちゃうかも。