北海道・札幌発・だべさ通信5

藻岩山はアイヌの人達を病気から守っていた

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東南アジアなどに存在するという伝染病デング熱。
それが大都会の東京で患者が出たというのですから驚きました。
幸い、治療をしっかり受ける事で治るそうで、一安心してよさそうですね。

 

 

それまで経験したことのなかった病気の感染が突如始まるということが、昔の北海道でもあったそうです。
札幌市民にとってなじみの藻岩山(もいわやま)に残されている伝説に、そのお話はありました。

 

 

藻岩山は昔、アイヌの人たちが「インカルシペ」と呼んでいた聖なる山でした。
ある年の春、「インカルシペ」から山鳴りが聞こえてきました。
これは、恐ろしい病気が流行する前触れにちがいないと思ったアイヌの人たちは、村人みんなで、「インカルシペ」の山の中に逃げ込み、病気が感染しないようにそこで数日間を過ごしました。
そのおかげで彼ら達に病気が移る事はありませんでした。
事態が終息した頃、山の中腹から、事態の終息を知らせたのでしょうか、カムイシュネと呼ばれる神さまの灯火が光ったという事です。

 

 

実はこの病気は、疱瘡(ほうそう)=天然痘 だったそうです。
疱瘡と聞いて、”あ〜、知ってる!昔、予防接種したよね〜、すんごく痛かったよね〜、
今でも肩に予防接種の跡があるよ〜”
なんて方がいらしたら、もしや私と同年代か先輩の皆さんですね。

 

 

江戸時代から明治にかけて、北海道にやって来た和人たちは、アイヌの人々がそれまで体験した事のない、新たな病気を運んできました。
未知の病原菌に対して免疫力のないアイヌの人たちは、そうした病気によって沢山死んでいったそうです。
疱瘡も、そうした病気の一つだったようです。

 

 

疱瘡は根絶されたと言われているけど、今回のように、そこにあるはずのない病気が出現するのはなんだか怖いです。

 

 

それにしても、藻岩山(「インカルシペ」)が災いを知らせた山鳴りと、終息を知らせたカムイシュネの光って、いったいなんだったんでしょう。
知りたいけれど、和人は病気を持って来た張本人だから、藻岩山(「インカルシペ」)は、何も教えてくれないのかもしれませんね。

 

 

以前、藻岩山を空から撮影した写真です。(07年1月)
現在、藻岩山展望台は新しくなっています。

新しい藻岩山展望台の記事はこちらです。

 

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