窓から見える公園の木がね、ほらあれ、所々に黄色く色づいている木。
それが1本だけ、葉っぱがみんなして手招きをするんですよ。
ほらまたいっせいに、ヒラヒラヒラ ” おいでおいで ” ・・・・
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あらまあ、なんて楽しい木なんだべ。
どうしてそんなふうに見えたのかと言うと、他の木たちはそれほど大きな葉っぱをしていなかったり、松の葉っぱは細いので、ちょっとくらいの風じゃあんまり動かない。
なのに、この木の葉っぱは手のひらのように広くて大きいもんだから、少しの風でもヒラヒラと動く。
季節の変わり目で所々が黄色く紅葉しはじめたもので、緑だけならその動きは見えにくいのに色がまだらのせいで葉っぱの動きがよく見える。
それにもしかしたら、葉っぱは栄養を奪われ始めたから、薄っぺらくなって、幹との付け根ももろくなってきているのかも。
加えて風は北西の風。
画面の手前から後ろの方に吹くもんで、私に おいでおいでをしているように見えるんだと思う。
あんまりおもしいので、カーテンを開けて、少しのあいだ話しに耳を傾けてみる。
・・・・・・・・・・・・
” サワサワサワ・・・・おいでおいで ”
フフフほら言ってる。なになに?・・・・
” サワサワサワ・・・・おいでおいで ”
ハハハ おもしい。
次はどのタイミングで ”おいでおいで” をしてくれるのかと思うと、赤ん坊の可愛いしぐさのようで目が放せない。
いったいなんていう木なんだべね。
サンダルをひっかけて、木の葉を見に行ってみました。
あとで図鑑を見たら、葉っぱの形から『シナノキ』か『ボダイジュ』という木のどちらからしいことがわかりました。
ボダイジュ?
よく、「あんたんちのボダイジュはどこ?」なんて言ったりしない?
あ、ちがうちがう、あれは『菩提寺』(お墓のある寺のこと)か・・・
でもさ、菩提樹って言葉もよく聞くよね。
実は、お釈迦様が悟りを開いたのが菩提樹の木の下だったそうです。
だからボダイジュは神聖な木なんですって。
そういうわけで、お寺には菩提樹が植えられていることが多いそうです。
(厳密にいうと、日本のお寺に植えられている菩提樹はインドの菩提樹とは別種だそうですが)
それでね、日本の菩提樹はシナノキ科だそうです。
ということはこの木、シナノキでもボダイジュでも、どっちでもいいかなあ。
ふたつの違いを見分ける簡単な方法は花を見ることだそうで、これは来年までのお楽しみとしておきましょう。
したっけさ、となりの木の下に、こんなもんが落っこちていたんですよ。
続く >>
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