北海道・札幌発・だべさ通信5

あの日の自分達に会う

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夜中になりました。少し開けてる窓からは、外からのひんやりとした空気が入ってきます。
お盆が終わると、北海道の子供達は、本州の子より一足先に学校が始まります。
昨夜は、40数年前の子供達と先生ご夫妻合わせて11人が集まりました。

 

 

さすがにそんな時間が過ぎますと、学習する内容が大幅に変わりますね。
”50肩を予防する方法はだな”・・・んん
”こうやって腕を回すんだよ。”・・ヘえ〜・・・堀越君は腕をグルグル回してみせました。
”安田君、エビ食べなよ”
”あ、俺今、エビは食べないようにしてるんだよ”
”え、どうしてどうして?”
”エビにはプリン体が多いからさ、痛風の原因になるべ”
”ええ、安田君、痛風なの!”
”あ、いや、気をつけているだけよ”

 

 

小学生の時には習わなかった保健体育の内容に、みんな、身を乗り出して耳を傾けるからおもしいね。
最初からこのくらい興味を持っていればさ、私も人生変わっていたかもしれないのに。
私たちの通った西小学校は、当時は各学年1クラスずつで、私達のクラスも20名そこそこの小さな学校でした。それもね、幼稚園からの繰り上がり。
だからみんな、いとこ同士みたいな、どこかで血の繋がりを感じる同級生です。

 

 

「おれさ、帰省している間に、子供の頃住んでた所にふらっと行ってみたさ」と安田君がいいました。
「へえ、そこでなにか、当時のままに残っているものを見つけられた?」
「いやあ、何にもないよ」
そっかそうだよね、わかっていても、やっぱり訪ねてみたくなるその気持ち、とてもよくわかります。
私も以前、自分の家のあとに行った事があったもん。
そこはもう地形も変わっていて、家のあった場所なんか削られて、ただの空間です。
でも、私にはわかりました。ほら、向こうからランドセルを背負って走ってきたのは私だよ。縦長のガラスがはまっている玄関の戸を、ガラガラって開けて入ったと思ったらもう出てきた。あれはね、”ゴム跳び(遊び)”をしに行ったんだよ。

 

 

時が過ぎて、回りに新しい学校が次々と建てられるようになると、昔のように、ず〜っと遠くから通わなければならない子はいなくなりました。でもここにきて、今度は札幌の端っこだった西小学校が、新しい学校に吸収されることになり、廃校が決まったそうです。寂しい?寂しいかも・・
でも大丈夫だよ。みんなで集えば、楽しかった光景が、総天然色カラーで見えてくるからね。

 

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