ちょびっと染みた、吹雪だべさ

PR

さすが1月だね。
一度地上に降りた雪なのに、それを風が吹き上げて、降る雪と一緒になって、真横から吹き付けてくるんだから。
視界がとても悪いので、通りを走る車 はライトを付けて走行しています。

 

 

黒いジャンパーの小さなくぼみにも、スプレーされたように雪がへばりついて、スカートは粉砂糖をまぶしたみたいなグラデーション。
早く、バスこないかな・・・このままじゃ、お地蔵さんになってしまいそうだわ。
フードをしっかり手でおさえて、マフラーで口をふさいで、バスが来ないかとうす目で遠くの方に目をやってみます。

 

 

白くかすんだ向こうから、大きな２つのライトが見えてきました。バスだわね。
でも、やってきたバスは手稲行きではないので、やり過ごします。
そろそろ来るはずなんだけどな。
指先が、だんだん痛くなってきました。
その時、浮かび上がるように現れたバス、手稲行き。
ドアがプシュ～と開いた時ってありがたいね。

 

 

吹雪の昼下がりのせいか、バスの中には数人のお客さんしか乗っていません。
『次は3丁目3丁目』・・・・・通過・・
『次は8丁目8丁目』・・・・・通過・・
おお、なんだか知らないけれど、早いっしょ。
道路は狭くなっているけれど、お客さんの乗らないバスは、ゆっくりだけど止まりません。
今、どのあたりかな。
曇ったガラスを指で拭いてみたけど、外はみんな真っ白です。
『次は花川3丁目・・・』まだまだしばらくかかりそうだね。
指先に、じんわり血が通い始めました。
揺れるバス、暖かい車内。顔を埋めたマフラーに、鼻水がちょびっと染みたべさ。