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ピー〜〜〜〜〜・・・・
婆ちゃんの部屋からのインターフォンが鳴りました。
受話器を取って 「はいはい・・」
「母さん!来てくれえ〜〜〜〜!!」
慌てた婆ちゃんからのSOS。
声の向こうからは火災報知器のピーッ!ピーッ!ピーッ!という音が聞こえています。
もしや 一大事!!
急いで階段を降りて、婆ちゃんち(二世帯住宅)の部屋の戸を開けると、報知器の音は止まっていたものの、茶の間に煙が充満しています。
婆ちゃんは、部屋に入ってきた私を見て、「母さん、母さん!大変だあ」と叫びました。
火の元を見ると、フライパンから煙が出ています。
あちゃ〜・・。
幸い、火事ではありませんでした。
換気扇を回していなかった事と、焼いていたホッケからの煙りが多かったからでしょうか、煙が火災報知器を作動させた事がわかりました。
突然鳴り出した大きな音にびっくりした婆ちゃんは、焼いているホッケの事などすっかり忘れています。
換気扇を回してから、フライパンを持ち上げてホッケを裏返してみると、哀れホッケの皮は墨のように真っ黒に。
どうして音がなったのか、これがなんの音だったのかを説明はしたけれど、ちゃんと理解してくれたかなあ。
小さなアクシデントが起きたとき、どうやったら老人の自尊心を傷つけないように説明できるかという事を、最近は家族で考える事が多くなりました。
婆ちゃんは「すまんすまん」と、何度も私に言いました。
それから、私が「このホッケ、皮だけ焦げただけでセーフだったよ、よかったねえ」と言うと、
「そっかあ、これ、ウマいホッケだからとっといたヤツ(とっておいたもの)だったのさ。半分やるぞ」と言いました。