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ピンポ〜ン。
誰だろう、こんな朝早くから。今何時だと思ってんの?6時だよ。せっかく休みっだていうのにさ。
インターホンを取って『はい』とでてみると、
「おはようございます。警察の者ですが」
ええ!!けいさつ!!
「ちょっと待って下さい!」
もしや事件?それとも熊でも出没したのか。
とにかく、パジャマを着替えないと・・ドタバタと階段を降りて玄関に出てみました。
ドアを開けると、若いお巡りさんが立っています。
「おはようございます。あの、昨晩なんですが、この公園のあたりで怪しい人物を見ませんでしたか?」
なんでも、公園で火遊びらしい跡が見つかったそうなのです。
『怪しい人物?さあ、時々若者達が騒いでいる時はあるけれど、特別大きな音はしなかったし、そうだ、婆ちゃんなら知っているかも』
「そうですか、是非お願いします。
「お婆ちゃん!あのね、お巡りさんが、婆ちゃんに聞きたい事があるんだって」
婆ちゃんは奥の方から、
「なにい!?母さんや、昨日、佐藤の婆さんが持ってきたお土産、仏壇から降ろして食っぺ」
「お婆ちゃん!あのね、お土産じゃなくって、お巡りさんがね、婆ちゃんに聞きたい事があるんだってさ、ここにきているよ」
「え〜!!なんだってえ?ありゃきっと温泉まんじゅうだな、開けてみれや」
「お土産は、後でいいから。あのね、お・ま・わ・り・さん、が来ているよ」
婆ちゃんが玄関に出てきました。曲った腰を少し伸ばしてみたら、そこにはお巡りさんが立っているので、ビュンといきなり腰が伸びました。
「あれ、お巡りさん!」
お巡りさんは、肩の無線から聞こえてくる情報を気にしながら、「お婆ちゃんに聞きたい事があるんですよ」と、公園の火遊びの事を優しく話しました。
「さあ、私は知らないね〜。それよりお巡りさん、私思うんだけどね、公園の手前の木、ありゃ切ってもらわないとダメだべよ。中が見えないべさ」と、腰に手をあてて、胸をはって言いました。
お巡りさんはちょっと困って
「そうですねえ、見えにくいですよねえ。それでお婆ちゃんは誰かの声とか聞きませんでしたか?」
「昨日は寝ちまったもなあ。わたしゃ、公園の木がダメだと思うんだなあ。中が見えないべさ」
「そ、そうですねえ・・・」
「朝早くからご協力、どもうありがとうございました」
お回りさんはメモを取り終えると、パトカーの方に戻っていきました。
婆ちゃん、お巡りさんに意見するなんて、なかなかやるな。
確かに、手前の木が大きく育っていて、奥の方が見えないのは良くないような気もします。
昼間の公園はいいけれど、夜は逆にぶっそうです。
気をつけないとね。
「んだなあ、あの手前の木を、なんとかしないとダメだべよ」んん、そうだねえ。
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婆ちゃんの防犯上のご意見、ごもっともです。
見えにくいから集まって悪さするんですもんね。
久々婆ちゃんの御登場でありましたか
私も本物の婆さんではないですが 生活で出会う人々がだんだん自分より若い人になっているので 一言というか思わず説教してしまいそうになることが増えてきてる・・・やばいやばい
折角、窓から見えるすばらしい自然。高いお金で買ったどんな絵よりも見劣りしません。〔木を切るなんて贅沢です〕
もみじ さんへ
公園に死角が多いと、よくないですね。
本当に、もう少し木を切って、見通しをよくすればいたずらも少なくなるのではと思います。
野のはな さんへ
まったく同感です。私もね、若い人と話しをしていると、ついつい説教じみてしいまいます。
自分が若い時は、イヤだったのに、自分が言う方になちゃうなんんてね。
私も注意しなくっちゃ。
チョイ悪爺ィや さんへ
景色はそれだけでごちそうですね。
敷きの移り変わりを見ていると、心がなごみます。