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今日は、落雁（らくがん）のような、密でしっとりとした雪が積もりました。
この雪は、三寒四温と同じように、春になる兆しです。
林の木の幹も黒っぽく見えるのは、解けた雪が幹を湿らしているからでしょう。
両手にゴミを抱えて雪をこいで行ったら、スタジアムジャンパーと帽子を身につけたおじさんが、ゴミステーションの雪かきをしていました。
それから、はみ出ていたゴミをスコップですくってゴミサークルの中に戻しています。
いつもゴミステーションを掃除して下さるおじさんだね。ホントありがたいです。
『おはよございます』と言うと、
おじさんは、「あ、おはようございます」と言って、網をさっと上げて、私が持っていったゴミを一緒に入れてくれました。
『いつもありがとございます』
「いえいえ、どういたしまして」
あれ？よく見ると、そのおじさんは、私が思っていた人ではなく、別人でした。
数年まえに奥様を亡くされていて、町内会には参加せず、ゴミ出しで見かけても、なんとなーく遠ざけているみたいで、ささっと家に入っちゃうおじさんです。
もちろん、ゴミステーションの雪かきをしているのを見たのは初めてだし、こんなに会話をしたのも初めてです。
いきなり『いつもありがとございます』なんて言われたんで、ちょっとビックリしたかもしれないよね。
でもさ、もしかしたらこれがきっかけで、会話が弾む日がくるかもしれない・・・
そんな時がきたら、ちょっと楽しい・・・と、おせっかいなおばさんは思ったのでした。
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