北海道・札幌発・だべさ通信5

何気なく老人に手を貸す人に

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実家の母と小樽で食事をしたあと、ホテルのワゴン車が駅まで送ってくれることになりました。
私たちが車に乗り込むときにはすでに、何人かのお客さんも乗っています。
87歳の母はお陰さまで元気だけれど、ワゴン車のステップを上がるのにはやはり、誰かの支えが必要です。

 

 

母の腕を支えてステップに足をかけたとき、ちょうど近くのシートに座っていた男性が、さっと両手を差し出して、母を車に入れてくれました。
「すいません、ありがとうございます」
男性は黙って座り直しました。

 

 

駅まではほんの10分ほどで到着です。
他のお客さんが降りた後にゆっくり降りればいいので、最後に母が腰を上げました。
すると、さっき手を貸してくれた男性が車の外に立っています。
母が車のステップに足をかけると、男性は当たり前のように両手を差し出し、母を降ろしてくれました。
男性は、母の為に、わざわざ待っていてくれたのでした。

 

 

高齢者と同伴で動くときは、ちょっとした手助けが本当にありがたいものです。
「ありがとうございます」
『◎×△□○・・・・』
あら、日本人じゃないんだ。

 

 

そのあまりに自然な振るまいは、高齢者を敬う文化の国に他ならないと思いました。
私が同じ立場だったなら、先に車を降りたらさっさと歩いて行っちゃうねきっと。

 
かりに、男性と同じ事が出来たとしても、自分の中で ”小さな親切をした”ぞ! と特別な気持ちが現れるだろうから、それは修行が足りないという証拠だね。
いつかどこかで、同じような事があったときは、他人にもちゃんと両手を差し出せるような自分でいなくっちゃと思いました。


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