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「明日、仕事で倶知安(くっちゃん)に行く事になったけど、一緒に行くか?」
え、倶知安!もしかしていい事ある?
「ニセコの温泉にでも入ろうかな〜」
そりゃ行くしかないべさや。
倶知安とニセコは隣同士で、限りなく広大な畑があって雪の多い所として有名です。
という事で、今日になって朝の6時に倶知安町に向けて出発しました。
今年は雪の降るのが遅いせいか、東洋のサンモリッツと言われてるニセコのスキー場は、まだな〜んにも雪がありません。
傍にそびえる羊蹄山が、かすかに白いショールをまとっているだけでした。
でもね、さすがに朝は冷えたもね。
今朝降りた霜が、収穫の終わった地面や、そのまま置き去りにされたキャベツや、枯れた草や落ち葉、大地のすべてを真っ白く覆っていました。
倶知安と言えば、農作物の他になにかしら?
「オブラートだろう」
おお〜〜!そうでした。
子供の頃は薬を飲むのにお世話になりました。
薬を包んで口に入れる時に、一緒に飲む水が少ないとオブラートが喉にへばりついてさ、結局破れて苦い薬を飲む事になちゃったオブラート。
なんだかわかんないこの不思議なペラペラを、それだけそっと食べてみたオブラート。
恥ずかしながら、オブラートがジャガイモから作られている事を知ったのは、もういいかげん大人になってからの事でした。
しかもね、そのオブラートの全国生産の約半数が、この倶知安町で作られているそうです。
今は一応大人なのでオブラートのお世話で薬を飲む事はなくなったけど、色んなお菓子にも使われているのをよく見かけますね。
霜が朝日に照らされて、大地がキラキラと光りだしました。
寒いけど、溶けて消えるまでの、わずかな時間のセレモニーだね。
そう言えばほら、キラキラ光るオブラートのように見えませんか。
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