「こんなの出てきたぞ」ガサゴソと片付けをしていた旦那さんが見せてくれたのは『新生(しんせい)から大樹(たいき)ゆき』の切符。
印刷はすり減ってあちこちシミもあるけれど、まぎれもなく残っている青春の足跡です。
そういえば私も切符を持っていたはず・・・・
え~っと・・・、ヘアピンや輪ゴムなんかがゴチャゴチャ入ってる引き出しのヘリに、すすけた切符が張り付いていました。
私の持っていたのは『愛国駅から幸福行き』です。でもね、この切符は頂き物。
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2つの切符とも、1987年(昭和62年)2月2まで、帯広から広尾までの84キロをつないでいた鉄道『広尾線』に存在していた駅です。
愛国と幸福という駅があったので、『愛国駅から幸福行き』という素敵な名前が世間に知られてからは、切符だけでも欲しいというファンが続出!実際に列車には乗らなくても、切符だけは線路を飛び出し全国に販売されました。
調べてみたら、国鉄が民営化されたのが広尾線が廃線になってすぐそのあと、同じ年の4月1日。
広尾線はまさに国鉄時代最後を飾る路線だったのかもしれませんね。
<<広尾線>>
帯広→依田→北愛国→『愛国』→大正→『幸福』→中札内→更別→上更別→忠類→十勝東和→『大樹』→石坂→豊似→野塚→『新生』→広尾
幸福という駅名の由来は、その地域名が『幸震』と言われていたことと、『福井県』からの移住者が多かったといういうことで、それぞれの1文字を取って付けられたからだそうです。
『幸福』はなんと偶然が重なってできた駅名だったんですね。
福井県の人たちの入植がなければ、その存在はありませんでした。
広尾線が廃線となってしまった今、『愛国から幸福ゆき』も消えてしまったのでしょうか・・・・
いえいえ誰だって、見えない『幸福ゆき』の切符は持っているはず。
旅がまだまだ続く人も、そうでもない人も、一生の間にはいくつもの幸福駅に停車するのではないでしょうか。
見える形で欲しい!という方のためには、今でもちゃんと販売されています。
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