スポンサーPR
先日、通ってきた積丹半島にある古平町。
北海道の昔話という本に載っていた古平のお話。
それはニシンがわんさと穫れていた頃と言いますから、明治から大正にかけて、もしくは昭和の初め頃のお話かもしれません。
ニシン漁は春。
この時期は、北海道の日本海側に沢山のニシンがやってくるので、それこそ、かなりの男手も必要になります。
そこで漁師の網元は、各地から労働者を雇いました。
彼らの事は『やん衆』と呼ばれていました。
古平もそうした場所の1つです。
昼間のニシン漁を終えたやん衆たちは、夜になると飲み屋さんへとくり出すのでした。
今も昔も、若い人たちは力が有り余っていたのでしょう。何人でかついだのはわかりませんが、願雄寺というお寺のお地蔵さんを、お蕎麦やさん前にドッカと置いていったんですと。
朝になって店の前に現れたお地蔵さんに、おそば屋さんは、もうびっくり!
北海道ふうに言うと、『どってんこいた』わけです。
ほんとなら、『こんな事をしたのは誰だあ!』となるところですが、さすが、お蕎麦屋さんでございます。
『このお地蔵さんは、ウチのお蕎麦がウマくて、たらふく食べたもので、動かれなくなったんだべや』という事にしました。
それからというもの、お蕎麦屋さんは『お地蔵さんも食べたくなっちゃったウマい蕎麦屋』という事になりました。
願雄寺に戻されたお地蔵さんも、『蕎麦食い地蔵』と呼ばれるようになり、古平ではちょっとした有名地蔵になったそうです。
やん衆たちのイタズラを、チャンスに変えちゃったお蕎麦屋さんは、今も昔も変わりなく、商売に通じるものがあるのかもしれませんね。
= 北海道の人気ブログランキングに挑戦中 =