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お墓参りをしました。
なむなむなむ・・・・
「あ〜やれやれ。これでホッとした。したら、あっち行ってみるべ」婆ちゃんはそう行って歩き出しました。
この墓地には、婆ちゃんの知り合いの人達のお墓も多いので、あと数カ所、手を合わせるだけのお参りをして行きます。
「ここだ、なむなむなむ・・・・しっかし、ここの爺さんは、よく母ちゃんをひっぱたいてたもな。かあちゃんは苦労したべ、なむなむ。さあーてと次行っか」
「ここだ、なむなむ・・この爺さんは飲んべだったもだあ。なむなむなむ」
婆ちゃんは歩きながら、あちこちのお墓を見ては”○○さんちの墓、草ボーボーだな。あんなに金持ちなのに、誰も墓掃除にきやしねえ”とか、”あれ、□□さんとこの墓、花あがってるから、チヨちゃんも親の墓に来てったんだな”とか言ってます。婆ちゃんがお墓を見ると、けっこういろんな事がわかるみたいです。
次はここ
「なむなむなむ・・・ここの爺さん、めかけ(愛人)作ったんだぞ。母ちゃんはよく我慢したわ。なむなむなむ」
婆ちゃんのおかげとでも言うべきなのか、毎年お墓を回っているので、だいたいの昔の様子はわかるようになりました。
それにしても、昔の優柔不断な爺ちゃんたちに、妻たちはよく耐えてきたもんだわね。
今なら即離婚だわよ。
そのせいかどうかはわからないけど、残された妻たちの今は自由にのびのび、好きな事をして、好きな時間を使っています。
長生きして、ちゃんと元を取らなきゃね。