北海道・札幌発・だべさ通信5

逆手にとるカメムシ

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捨てた大根の切れ端から葉が伸びて、つぼみもいっぱいついたので、抜かずにどんな花が咲くのか見てみようと思った。
この大根は紫色だったせいか、しばらくして咲いた花も、紫っぽいピンク色の花だ。
大根の花も奇麗だよね~~~。

 

 

もっとよく見たいもんだと覗き込んだとき、目の前の葉っぱの裏から虫が顔を出しだ。
ギョエ!
お互いに一瞬 目と目が合って固まった。
それから体中に電流が走り、毛を逆立てた猫みたいに飛びあがった。
こういう時って、ヨイショの声を出さなくっても飛び上がれるんだもね。
けれどソイツったら、何事もなかったかのように、再び前足をワヤワヤと動かして登り始めた。

 

よく見ればカメムシでしょや。
でも、背中は派手なオレンジ色で、黒いまだらの模様をしている。なんて趣味の悪い模様だこと。
悠々と葉っぱの上にのっかる。
緑のステージの上にこの模様がまあよく目立つ事。
もしや、気持ち悪く目立つ事で、鳥を寄せ付けないという逆手にとった方法か。

 

 

しかめズラしたおばさんは、気持ち悪そうに遠くからマジマジと、そのオレンジまだらのカメムシを見てやった。
すると、そのカメムシが私に向かってしゃべったような気がした。
「あんたも、そうとうぶかっこうだね」
な、なに言ってんのさ、私のこの姿こそ、世間を惑わすためのカモフラージュに決まっているしょや。
悪い虫がやってこないようにと、逆手にとった方法さ。

 

 


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