北海道・札幌発・だべさ通信5

遠い記憶が人を育てる

PR

「みなさん、馬や牛の赤ちゃんは、生まれるとすぐに立ち上がりますよね。それに比べて、人間の赤ちゃんは、歩けないどころか、ひとりじゃ何にもできません。なんて無防備なんでしょう。どうしてそんな状態で生まれてくるのかわかりますか?」
大学の先生が、こんな話しを聞かせてくれました。
生まれて数時間の赤ん坊がいきなり走り出したら、ビックリを通り越して恐ろしいな。

 

 

「それは、人間が二足歩行を始めたからなのです」
二足歩行・・・
「二足歩行は手を自由に使う事ができるので、人間をとても進歩させました。でも、そのおかげで人間の骨盤が狭まってしまったのです。そうなると、赤ちゃんは小さなうちにお母さんの体内から外に出なくてはなりません」
あらまあ、・・・・こんな小さなうちから、大人の都合に振り回されていたんだね。

 

 

「ではみなさん、たとえば馬は、生まれてから数時間もするとピョンピョン飛び回りますね。もし人間が子馬と同じような状態で生まれてくるとしたら、いったい何ヶ月くらいの年齢なのかわかりますか?・・・・答えは1歳10ヶ月です」
い、1歳10ヶ月!そりゃあ無理だわ。私は、長男も長女も必死の思いでお産したのに、それが1歳と10ヶ月で生まれるなんて事になったら、もうムリムリ、絶対ムリに決まってるわ。

 

 

「人間は、二本脚歩行と引き換えに、赤ちゃんを早く産み、その分、母体の外で付きっきりで育てるという方法を選んだわけです。しかし、人間の中には、赤ん坊のうちから子供を虐待してしまう親がいますね。ある研究によると、人間は、赤ん坊の時から自分が見た大人の行動や愛情などを覚えていて、それが大人になった時に、母性本能を芽生えさせる要因の一つになるというのです。それを証明するかのように、人間に育てられたチンパンジーの多くは、人間の愛情はわかっても、チンパンジーとしての親にはなれず、育児放棄をするとい事が多いそうです。だからみなさん、子供が小さな時の子育てはとても重要です」
そうだったのか。

子供たちが赤ん坊だった頃、誰もあやしていないのに、天井の誰かとキャッキャと楽しそうに話しをしている時がありました。
そんな時私は、”もしかして、ご先祖様があやしてくれてるのかな。きっと無垢な赤ん坊には見えるんだわ。”と、よく思ったもんです。もしかしたら、ひいひい爺ちゃん婆ちゃんも、子供たちを一緒に育ててくれたのかもしれません。
成長するにつれて、ひいひい爺ちゃんも、ひいひい婆ちゃんの姿も見えなくなって、記憶は脳の海馬の奥に閉ざされてしまったかもしれません。でもきっと、それがあったから今がある・・・と思いたい。
私だけでは、どうにもなりませんでした。ありがたやありがたや・・・

<

 

 

人気ブログランキング
に挑戦中です!ポチっとして頂けるとランクup。励みになります。