北海道・札幌発・だべさ通信5

押し売りに間違われのは顔が怪しい?

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町内とはいえ、知らないお宅を訪問するのはちょっと勇気がいります。
ピンポ〜ン。
”はい”
インターホンのライトがピカピカっと点滅、モニタのレンズがキラリと光りました。

 

 

”どちらさま?”
「あの町内のぽぷらです」

 

 

”町内の?町内会費だったらまだ早いんじゃないの?”
「いえそうではなくて、町内会の用事でお話がございまして」

 

 

”どんな用事ですか?”
うわあ、私の事を押し売りとでも勘違いしているのかなあ。
「あの、ちょっと立ち入ったお話もありまして」

 

 

しばらくしてから、玄関のドアがガチャリと少しだけ開きました。現れたのは、髪をクルクルっとパーマをかけて、バラ模様のぴったりした黒いズボンスタイルの60代くらいの奥様でした。

 

 

「なんのご用?お宅どのへん?」
うわ、ちょっとキツイ言い方・・・
きっと私の事を警戒しているんだわ。
「あのウチは、ここをまっすぐ行ってから右に曲がって・・・
実は町内の係をしておりまして、コレコレしかじか・・というわけで、このパンフレットもお渡しする事になっておりますので」
「あらまあ、そうなの」

 

 

「今年の冬はシバれますね〜」
ここは世間話で場を和らげよう。
「雪が多くて雪かき大変、もうわやですよね〜」ホホホ、
なんとか気持ちはほぐれたかしら。
「それじゃあよろしくお願いします」

 

 

玄関を開けて帰ろうとすると、後ろから声が。
「気を付けてね滑るから」
「はい、有り難うございます。」
ああよかった。
最初はどうなる事かと緊張したけど、
本当はとても優しいおばちゃんだったんだね。

 

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