北海道・札幌発・だべさ通信5

クリスマスのネオン再び

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福田さんは、本当はその事務所の偉い方なのに、なーんもいばったりしません。
その日もシワシワのビニール袋を持って現れました。
「これを飾ったらどうかと思ってさ」
袋の中からガザガサと取り出したのは、緑色したコードの固まりです。
あら、クリスマス用のネオンですね。

 

 

「今じゃもう使わなくなったやつだよ」
ネオンは、種類の違う電球が混ざっているから、どうも2種類入ってるようです。
電球のコードをあっちに通し こっちをくぐらせているうちに、やっぱり大小2つのネオンに分かれました。

 

 

私は小さい方のネオンを付けますね。玄関の横のガラスにテープで止める事にしました。
福田さんは、長い方のネオンをブラインドに付けているようです。
そういえば、我が家もツリーを飾らなくなって数年が過ぎましたね。
こうやってこうやって、あら、これじゃあコードがコンセントまで届かないじゃないの。
ガラスにテープで貼るだけなのに、けっこう試行錯誤しちゃうわね。

 

 

「こんな感じでいいでしょうか?」
「おお、いいじゃないか」
「うわあ、福田さんも素敵ですよ」
「いやいやそうかい」
私の飾ったネオンはただグルリと貼っただけなのに、福田さんの長いネオンは、3カ所ほどブラインドにビニールひもで縛ってあるので、きれいな曲線を描いています。
点灯!!ピカピカピカ・・・

 

 

「あら、袋の中にもうひとつ何か入っていますよ」
それは、フェルトで作ったの平たいツリーでした。
同じフェルトで作った黄色い星や、赤いリボンが付いています。
「そんなもんが入ってたのかい。いつのもんだかわかんないな」
フェルトの縫い目が不規則なところが、懐かしくてなんだかとっても暖かい。
「このツリーはこの壁に貼りましょうかね」
「ああそうだね」
寒々した事務所の中に、小さなツリーがともりました。

 

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