北海道・札幌発・だべさ通信5

バケの皮が剥がれたお餅つき

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婆ちゃんは、前日から餅米を幾つもといで、”うるかして”おきました。
今日は毎年恒例の餅つきです。
”うるかす”は”水分をしみ込ませる”という意味の時に使う方言です。
なんと言っても、我が家の餅つきのすごいところは、昔ながらの薪ストーブで餅米をふかす事。
義姉夫婦も私たちも、そこまで大掛かりにする事などないとは思っているのだけれど、お餅の大好きな婆ちゃんにしてみると、これぞ1年の集大成なんです。

 

 

11個のバケツには、みんな一升づつの餅米がうるかしてあるはずなんだけどね、見た目の量がどうも違います。
「おら、計ってといだも」と婆ちゃんは言うけど、なんとな〜くわかっちゃいます。
婆ちゃんはいつも、少しでも多くのお餅をつきたいと、一升プラスαのお米を研ぐんです。
そまま餅つき機に入れちゃうと、容量オーバーでうまく回転できず、今まで何度もアクシデントが起きているので、そこんところは義姉はちゃんとお見通し。「少しずつ、お米を減らしておいたからね」と私に耳打ちしてくれました。
だからバケツは13個になりました。
婆ちゃんはそれを聞いて、「おら、ちょびっと多めにうるかしてたもな。バケの皮が剥がれたな」と言いました。

 

 

「佐藤さんところに持って行くのは白餅と豆餅にするべ。田中さん所に持っていくのは白餅と豆餅。佐藤さんは豆と白・・・あれ?佐藤さんは今言ったか?」
婆ちゃん総監督は、何度も指を折っては勘定します。
大丈夫だよ。数を間違えても、あとから増えたとしても、数は2枚増えたのだから。
白餅、豆餅、今年は機械も止まることなく、順調に出来ました。
途中の休憩では、クルミ餅と、北海道では珍しいジュウネ餅も食べました。(ジュウネは次回でご紹介します)

 

餅つきもそろそろ終わりに近づいて、のしたお餅が何枚も出来上がった頃にかぎって、お客さんが来るもんだもね。
「こんにちは。うわあ、餅、ついたんだねえ〜」
婆ちゃんは、顔で笑って心で泣いて、「1枚もってけ」と言いました。
「あらあ、ウチも、餅つくんだよ。わるいねえ」

”餅、持ってかれて、いたましい(もったいない)ったらありゃしない”そんな婆ちゃんの気持ちもみんなお見通しでしたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

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