北海道・札幌発・だべさ通信5

バッタの足が歯に挟まって

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イナゴのつくだ煮。友人の景子が福島栃木のお店で見つけました。
「うわあ、イナゴのつくだ煮、これ下さい!」
景子は嬉しそうに、さっそく買い求めました。
食べるの?
「食べるに決まってるべさ、なに言ってんのあんた」
でもさあ、バッタだよ。
「バッタじゃないよイナゴだよ、ねえー」
店員さんはにっこり笑ってる。

 

 

私は見た事はあっても食べたことはありませんでした。
パックの中に入っているのは、どう見てもバッタたちの死骸です。
景子は虫がすんごく苦手だったんでないの?
「そりゃ生きてるからだべさ。これはつくだ煮だからいいの、美味しいんだよあんた知らないの?」
この54年間、いつかは食べてみたいと思っていたのがこのイナゴ。そして、まだ見た事のないハチの子。
食べられるチャンスは今しかない。ちょっと景子、ホテルに帰ったら一匹ちょうだい。

 

 

さて、ご主人へのお土産のイナゴを、私が最初に頂く事にしました。
景子が一匹つまんで手のひらにポイ。

 

 

ひえ〜・・・バッタが・・・バッタが・・・手が震えちゃう。
「バッタでないってイナゴだって」そんなこと、私の中では同じさ。
まさに死骸になったイナゴの黒い目が、カーっとこっちを見てるっしょ。
足はあっちの方にビュンと投げ出されて固まって、ふっくらしているはずのお腹は飴色になっているけれど、ウロコみたいなヒダヒダがそのまんまです。

 

その時、手のひらの中のバッタがピクリと動いて、曲がった足の先がこっちに向きました。
ひえ〜、バッタが動いた!!
「イナゴだっちゅうの!」景子はあきれ顔です。
わかっていますよ。
今食べなくっちゃ、次はいつ会えるかどうかわからない。
頭からパク・・・そっとかじって、とりあえず味は・・ウウ・・・ん?佃煮か?・・・
「ね、美味しいっしょ」景子の言う言葉なんか耳に入らないわ。

 

その時イナゴの足が歯に挟まりました。
ひえ〜景子!足が、バッタの足が歯に挟まったよ〜・・・涙が出て来ちゃった。
「しっかし、あんたがこんなんだとは知らなかったよ」もう、どう思われても平気だもん。

 

 

次はとうとうお腹の部分をかじってみますよ。涙涙・・・・・??・・・・・・??
あら、これ佃煮だわ。美味しいもの。
景子は散々あきれ顔です。

夜も更けました、さあ寝ましょうか。ああ、なんという充実感。
やったぞ!ついにバッタを食べちゃった!あとは蜂の子、待ってろよ。

 

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