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「郵便局の車が止まったぞ」
旦那さんはブラインドのすき間から、赤い車が家の前に止まったのが見えたようです。
「あ、何か持ってこっち来るわ」え、ホント!
何かな〜お歳暮かな〜。
ピンポ〜ン きたきた・・・
は〜い。
「郵便局で〜す」
はいはい
「ぽぷらさまのお宅ですね、お届けものです」
郵便局のおじさんが抱えていたのは、いかにもチルドの発砲スチロールの箱。
あらまあ、有り難うございます・・・私ったら、今始めて知ったみたいな顔をしているけれど、本当はしらばっくれているので、鼻の下がモグモグしちゃいました。
「ここにサインを・・」
はいはい・・・あら?
ペンを持ったけど、そこには私じゃない名前がありました。
「惜しかったな〜、名字は同じだけど、私、”愛子”さんじゃないんです。・・荷物もらってもいいけど」
「え〜!!」
郵便屋さんはびっくりして荷物を確かめました。
すると、ここの住所と、この”愛子さん”の住所が、ちょっと違います。
「そ、そうですね、申し訳ございません」
チルドのゆうパックは、この手で受け取ったにもかかわらず、ああ無情にも土壇場にきて、この手のひらから離れていったのでありました。
ああ行っちゃった。受け取ったのは、ひんやりしててちょびっと重いチルドの感覚。
中身、なんだったのかな〜。