北海道・札幌発・だべさ通信5

江差線ー湯ノ岱駅から大切なスタフとは

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JR江差線は、江差から函館(五稜郭駅)までを結んでいる鉄道で、そのうちの江差ー木古内(きこない)間は、来年、廃線になることが決まっています。
鉄道マニアではないけれど、江差線に乗るツアーに、同級生の景子を誘って行ってきました。

 

 

 

 

ツアーバスの中を見渡せば、もしや私たちが一番若い?ようにも思えます。
朝、7時半に札幌駅を出発し、高速道路をひたすらぶっぱしり、午後1時7分発の列車に乗ります。(1日6本)
乗る区間は、江差駅から途中の湯ノ岱(ゆのたい)駅までです。
この湯ノ岱駅では、密かに楽しみにしている瞬間もありました。

 

 

小さな江差駅舎には地元のお客さん達が待っています。
そこに、私たちのような団体さんが30人もドドドっと入ってきたのだから、ちょっと困惑していたかもね。

 

 

 

 

あ、汽車きた!
(北海道人は列車の事をみんなひっくるめて汽車と呼んだりもする)

私は後の通路に乗ったんだけど、ここが終点で折り返しだから今度はこっちが先頭か!
おお!運転席が丸見えじゃん、しかも正面が見える、なんだかワクワクするわ。
乗客が乗ったら、ゆっくりと列車は動き始めました。

 

 

 

 

 

 

乗客の中で立っているのは、私たち二人と一人旅の女性だけで、他のツアーの皆さんは、座って景色を眺めています。
彼女は「廃線になるまえに、どうしても、もう一度乗りたかったんです」と教えてくれました。

 

 

列車は、草むらの中を右に左にかき分けて進みます。
線路の通りにクネクネと進むさまは、大事な宝箱をたぐり寄せているようです。
ツアーの皆さんの多くは、じっと外を眺めてる。
そのまなざしの向こうには、私の知らない江差線へも思いがあるのかなあと思いました。

 

 

「ねえねえ景子知ってる? 輪っかの事」
「わっか?」

 

 

「あのね、江差駅は行き止まりの終点でしょ。そこに、あとから汽車が入ってきたら詰まっちゃうべさ。
だから、湯ノ岱(ゆのたい)駅で、『この先に行ってもいいよ』という印の輪っこを受け取って、江差まで走るわけよ。そして、湯ノ岱駅に戻って来たときに、また輪っこを返す。こうすれば、単線の中に車両がダブる事がないっしょ」
「へえ、そんなのあるの」

 

 

それはスタフと呼ばれるもので、私が遠い昔に見た覚えがあるものは、針金(ワイヤー)でできた、ただの輪っこのようなものでした。
デジタル社会になった現在ではほとんど見る事はできません。
でも、ここでは健在です。それも、人の手で渡すんです。すごく単純、でも確実。
その受け渡しの駅が、私たちが下車する湯ノ岱(ゆのたい)駅です。

 

 

さて列車は
上ノ国  →中須田 →桂岡  →宮越→湯ノ岱へと進んで行きました。

湯ノ岱駅に到着です。乗客が次々降りている人ごみの向こうから、駅長さんが歩いてきました。
車掌さんもステップから降りて、スタスタと駅長さんの元へ。
その右手に持っていたは、まさしくスタフ!。
駅長さんは左手で受け取りました。

 

 

 

 

景子、見てごらんよ、あれがそうだよ。
スタフは、硬いワイヤーの輪っこに小さなカバンみたいなものが付いているものでした。
車掌さんは、さっとスタフを駅長さんに返すと、また、ささっと列車に乗って発車は動き出しました。
次の列車が来たときに、駅長さんは通行手形とも言える、このスタフを手渡すのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだか懐かしい旅をしたような30分ほどの時間でした。
江差線は2014年5月12日をもって、廃止される予定です。

 

 

<参考>
ウィキペディアによると、あのスタフはタブレット閉塞式というものだそうで、写真ではちゃんと撮れなかったもんで、興味がある方は
ウィキペディアの解説 スタフをご参照下さい。

 

『2013年7月現在、JRの旅客線で運用されているのは、JR北海道の留萌本線(留萌駅 – 増毛駅)・札沼線(石狩月形駅 – 新十津川駅)・江差線(湯ノ岱駅 – 江差駅)とJR西日本の越美北線(越前大野駅 – 九頭竜湖駅)のみである。またJR東海の名松線の松阪駅 – 家城駅間は、票券閉塞式になっているが、家城駅 – 伊勢奥津駅間が長期休業中であり、続行運転も行われていないことから、実質的にスタフ閉塞式となっている。』とありました。

北海道にあった613駅のプレートのポスターの写真

JR留萌線、留萌 ー 増毛の各駅の画像 >>

JR留萌駅の画像 >>

JR留萌線の終着駅、増毛駅の画像>>

小さな駅長さんのいる新十津川駅も含めたJR札沼線の画像 >>

 

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