北海道・札幌発・だべさ通信5

相棒は黄色い自転車 流星2号

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格納庫の扉を持ち上げた。
人はそれを物置のシャッターと呼ぶけれど、半年ぶりの再会だもの、今の私には確かにそう見えるのだ。
ガラガラ‥‥扉を開けると薄暗い奥の方から、すすけた黄色いボディが、はにかんでいる。

 

『私はここだよ』

 

おお、会いたかったよ自転車流星2号。

 

雪が溶けたよ、またよろしくね。鼻先をちょっとこすると、そこだけ新品のようにキラリと光った。

 

 

あれは確か4年前の秋。

当時の流星1号を仕事先の駐車場にとめておいた時、どっかの爺ちゃんの運転する車がバックしてきて、1号に接触。
後輪がつぶされてひん曲がった。

 

なのに爺ちゃんはその場を走り去り、1号は哀れ五百円の大型ゴミシールを貼られて、収集車に乗せられて去っていったのだ。

 

ところがそれを知った事務所の方が、新しい自転車を買って下さると言い、気の変わらぬうちに大型スーパーへ直行した。

 

とはいえ季節は晩秋。

 

 

店員さんは
「もうこれしか残っていないんですよね~」と言って、隅に残されていた黄色い自転車を指差したのだ。

 

 

流星2号は今ではすっかり私になじんで、雪が溶けるたびに大切な相棒になってくれている。

友人に「時々あなたが自転車で走ってるのを見るよ」と言われたことがあった。
「あらそうなの。私の自転車黄色で目立つから」
「何言ってんの。ハッチャキでこいでたからさ」
「そう見えた?」
「見えた見えた」
そ、そうでしたか。これからはおしとやかに走ります。

 

ね、流星2号。キラリ〜〜〜ン

 

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