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出先で、たまたま落語家のヨネスケさんの講演をきく機会がありました。
”京都の舞子さんも、歌舞伎役者も、顔を真っ白にしてるでしょ、どうしてかわかりますか?”
いやいや、わからないわ。
あんなに白く塗っちゃ、せっかくのナチュラルな顔がわからないしょや・・・なんて思った事はあるけどね。
”昔は電気なんてものはありませんから、みんなロウソクの灯りですよ。だから顔がよく見えるように、あんなふうに白く塗ってたんです”
そうか、なるほど!!
ついつい、電気のある今の時代を基本に考えちゃっていたんだね。
灯りがロウソクだけだから、顔の方を目立たせるってわけか。
もし舞子さんが普通の肌色だったらば、薄暗い闇の中では、目立たない冴えない存在になっていたかもしれないもね。
黒々とした日本髪、白く塗られた顔、小さく真っ赤な紅をさして舞うその姿は、ロウソクの灯りが作り出す光と影によってあでやかに浮かび上がり、舞いの姿は、それはそれは怪しく美しくさせていたに違いないね。
舞子さんは、夜の薄明かりで舞ってこそ美しいのかもしれません。
きっときれいだろうなあ。
でも一歩間違えれば幽霊っぽいかなあ。
いえいえ、きっと美しいに決まっています。