北海道・札幌発・だべさ通信5

高知城のお殿様を守る武者隠しと分身の術(高知の旅13)

高知のシンボル高知城は、天守が現存している12城のひとつだそうです。
高知はとても雨が多いところで、石垣には所々に雨水を流すトイ『石樋(石どい)』が付いている珍しい石垣です。

写真では見にくくてごめんなさい。『石樋』の説明看板の右上角をご覧くださいませ。石垣から出っ張った平べったい石が伸びているのがお分かり頂けましたでしょうか。
雨がたくさん降ると、あのトイから、雨水が流れ落ちるわけですね。


それじゃあ早速入ってみましょう。





『ご案内しましょうか?』
ボランティアガイドのおじさんが声をかけてくれました。


入ってすぐのところで目に入るのが、このシャレた欄間(らんま)。
「このデザインはクジラが塩を吹いている様子なんですよ」
なるほど〜〜。


「こちらが『三つ柏(かしわ)』という山内家の家紋で、土佐藩船の船印として使われていました。のちの三菱ロゴの基礎になった家紋です。」
確かに!三菱!






こちらの窓の格子は菱形になっているでしょ、外から中は見えにくいのですが中からは外がよく見えるのです」
ほほ〜〜・・


「ここは『石落とし』と入って、敵がきたらここから石を落とすんです」
床も開くようになっているんですね。

なになに・・石落としの説明文には
” 押し寄せてきた敵にたいする防衛処置・・・石や熱湯などを落とし・・”
とかいてあります。熱湯!! そりゃあ大変。


すると旦那さんが言いました。
「オレの聞いたところによると、糞尿も流したらしいぞ」
糞尿!・・・・そ、それは上がってこられない・・・・


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殿様を守るために隠れている部屋がある

「こちらは『武者隠し』と言って、殿様がここにいる間は、あの扉の向こうに家来が隠れているのです」
武者隠し・・
あの中で、家来たちが耳をすまして待機しているってわけね。


ガイドのおじさんの話によると、あの扉の向こうの小さな部屋には、事態が起きた時のために、絶えず4人の家来がいて、二人がサっと扉を開けて、後の二人がドドっと入ってこられるように準備をしていたんだそうです。

ということは、殿さまたちが話している内容に、絶えず聞き耳を立てていることになりますね。
扉に耳をくっつけすぎてゴロリンと飛び出してくるようなことはなかったのか・・・・なんて、コントみたいなことを想像しちゃいました。
それにしても、あのドアの向こうはどうなっているんだろう。気になる・・
すご〜く気になって仕方ない。

『あの中はどうなっているんですか!!』

「あ、いやいやちょっとお待ちください。これから行きますから」



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「はい、こちらが武者隠しの裏側ですよ」

部屋は4畳くらい。
扉は引き戸。素早く扉を開けられるように取っ手が付いています。
ここで、4人の家来が、じっと息を潜めていたわけです。





階段というよりはもはやハシゴ!
当時の人の身長の平均が155センチだそうですから、そのくらいの体格の人たちが、和服でここを行ったり来たりきていたのかと思うと関心します。





「しゃちほこをご覧なさい。こっちは口を閉じているけど、こっちの口は開いていますよ」
本当だ、もしかして、沖縄のシーサーみたいだね。

確かシーサーは口を閉じている方がお母さんで幸せと逃がさないように、口を閉じているのは幸せが逃げないようにというお父さんと聞いたことがあります。
このしゃちほこにはどんな意味があるのかな?



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お殿様が外に出る時は分身の術

ガイドのおじさんが教えてくれたことで興味深かったのが、お殿様が外に出る時の話です。

「殿様は一番偉いんですけどね、一人だけそんな格好をしていたら敵にすぐわかってしまいますよね。それはとても危険ですから、外に出る時には必ず同じような格好をした家来5人を含めた6人で行くんです、そうすれば、誰が殿様かわかりづらいわけです」


なるほど、もし自分が敵だったら、殿さまの一行を見たときどう思うだろう。
一番前というのはありえないなあ〜〜
一番後ろということもないと思う。とするとやっぱり真ん中へん?





さて、このお城には普通の家でいうところのベランダ『廻縁(まわりえん)』があります。
景色は変わったしまったけれど、お殿様はいつもここから高知の街を見ていたのかと思いました。
そしたらね、「ここに来くるのは年に2、3回くらいだったようですよ」と教えてくれました。
本当のお殿様は、テレビのようではなかったんですね。



長い記事になりました。最後までご覧いただきありがとうございました。 四国の旅シリーズ 1〜 はこちらから >>
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