北海道・札幌発・だべさ通信5

高知の四万十川にかかる沈下橋は清流にあえて姿を隠す(四国の旅9)

沈下橋(ちんかばし)という橋をご存知でしょうか。
私はそういう橋があることを全く知らなかったんですけど、今回、実際に四万十川にかかる沈下橋を見ることができました。

今も多く存在する沈下橋

四国旅行に行く前、旦那さんが「ちんかばしも見るぞ」と言ったので、
『ちんかばし』ってなんだ?・・・と思いました。


そのあと、ネットで見たその『ちんかばし』。
その姿は、昔からずーっと人々の暮らしを支えてきた縁の下の力持ちともいうべき愛おしい橋であることがわかりました。


四万十川に沿って車を入らせると・・・・
あった!!
ウィキペディアによると、沈下橋は日本の各地に点在しているそうですが、高知県の四万十川には支流も含めると47もの沈下橋があるそうです。




沈下橋には手すりがない


この沈下橋を見て、気づきましたか?
そうなんです、手すりがない!
この沈下橋は車は通れませんが、他には車も通れる沈下橋もあります。


車の運転が下手な人は落ちてしまいそう。
自分だったら柵がないと思うだけで動揺すると思うから、自転車で通ったら落ちるんでないかい。酔っ払いは相当危ない。


川に沈む仮定で作られている沈下橋

沈下橋は、雨や台風などで川の水が増水した時、あえて沈んでも構わないように作られた橋です。


もし柵があると、水の強い流れや流木などが橋に引っかかり、橋ごと流されてしまう恐れがあります。
あえて柵を作らず、シンプルにすることで、水を上下に逃し崩壊するリスクを避けるというわけです。
頑丈に作るという考え方の逆転の発想ですね。



経済的にも優しい橋

現代の橋は増水した時に橋が沈んでは困るので、余裕を持って高い位置に作ります。
技術的にも進歩しているから長さにも余裕をもたせることもできます。


それに比べて沈下橋は、沈んでも良い良い橋なので、低い場所に作って、しかも長さに余裕をもたせる必要がありません。
川のギリギリから作れるし経済的!
近代のような技術もない時代のことだったしね。
でもやっぱり、地元の人でも落っこちてしまう事故も多かったんですと。
この橋のすぐ隣にも、ちゃんと、近代の橋がかけられていました。


シシトレールも売っている道の駅

道の駅に寄った時、目の前をシュ〜〜〜っと飛ぶツバメ。
あたりを自由に飛んでいます。

傍に人がいても大丈夫なんだね。というか、ツバメは人の暮らしている場所に住むんですってね。
宇和島城のヤマバトといい、ここのツバメといい、人と一緒に暮らしてる感がすごいなあ。







店先で、見たことないものが売られている。
『猪わな』!
その名も シシトレール!!  
北海道では野生のシカが農家の作物を荒らして困っていると同様に、こちらではイノシシの被害が深刻なんですね。



アーチが美しい沈下橋

車がさらに進むと、今度はアーチが美しい沈下橋が見えてきました。



写真を撮っていたら、ファインダーの中に車が・・・

ひや〜〜、怖い。
旦那さんは、「あれくらい大丈夫だべ」とか言ってるけれど、還暦過ぎた人はやめた方がいいと思う。
こっちが沈下しちゃう。


巨大な水の流れに抵抗せずに、あえて流れを通してやることで今も壊れずに残っている沈下橋。
物事にとらわれない豊かな考え方が、こうした逆転の発想を思いつかせるのかもしれませんね。



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