きっぱり投げればいいべさや

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『みなさんこんにちは～！使わない物はしまっておかずに、思い切って捨てるのが、上手な片付けのコツですよ～』
テレビを見て、なるほど、そうかもしれないなあ・・と思いました。
『こちらのお宅を片付けてみましょう。まずはクローゼットの中の洋服。今年着なかったものは来年もきっと着ないはず。だから思い切って捨てて下さい』
家の女性がそう言われて出してみると、両手には持てないほどの洋服が出てきました。
かさばるバッグも出してみると、今までギューギューだったクローゼットに余裕のスペースが現れました。

 

 

『次は本棚いっちゃいます。この本は読むんですか？』
『いいえ、その小説はもう読みましたから』
『じゃあ捨てましょう。ここには今読んでいる本だけで充分です』
バサバサと棚から本を取り出すと、そこにはポッカリ大きなスペースができました。
『うわあ、片付きましたね～』
『どうですか、思い切って捨ててしまえば、こんなにスッキリ』
ほうほう、なるほど、思い切ると随分スッキリしちゃうもんだわね～。

 

 

でもさ、思い切りのよくない私は、そんなにキッパリ投げられない（捨てられない）。
だってさだってさ、いたましい（もったいない）もん。
そりゃ洋服はしゃーないかもしれない。
頑固な中性脂肪が若かりしの体型の邪魔をして、ファスナーの間にブヨブヨのお肉を挟んでしまいます、はいはいそれは認めましょ。で、でもせめてちょびっとの希望は残したい。
本もね、大切な思い出がしみ込んでいるものがいっぱいあります。
この先も、ず～っと読まないかもしれないけれど、ある時ふと手にした時に、過去の”どこでもドア”を開きたいと思う時がくるかもしれない。
ああ、だからやっぱし、私の回りはいつもゴチャゴチャです。

 

テレビに登場していた、この片付けプロのお宅の中はいったいどうなっているのかな。
もしかして『このおせんべい美味しいわね、カンカン（アキ缶）に入れといて後でたべよっと。たしか『白い恋人』の空き缶があったはず。あ”ー！！そう言えば昨日投げちゃった（すてちゃった）んだった。とっときゃよかったなよ～』ってな事、言ってるかもね。