手稲区役所1階にある資料室をのぞいてみたら、おお、なっつかしいものが展示してあります。
左は何やらサイコロの親分みたいですね、右側にあるのはカンパンのような形。
これを見て、おお~!と思った方は、年期の入ったお年ですね!そう『あんか』です。
■ 『あんか』は炭や豆炭を使った暖房器具
『あんか』は、昔使われていた手足を暖める道具。
左の『あんか』は明治、大正の頃に使われていたもので、材質は陶器みたい。
この四角い箱の中には底の深いお椀のようなものが入っていて、ここに、炭や豆炭を入れておくんですね。
上に布をかぶせたりもして使ったそうです。
そして昭和になって、真冬に私を暖めてくれたのが右側にある『あんか』。
外観はカンパンの親分みたいな形で、写真の状態は『あんか』を開いたところです。
中には石綿がびっしり詰まっていて、中央にくぼみがあります。
このくぼみに置くのが火のついた豆炭(まめたん)です。
■ 豆炭1つで一晩中暖かい
豆炭は、石炭の粉を固めて作ったもので、ストーブの中にほうり込むと火が移る。
それを、火バサミでそーっとつまんで、中央のくぼみに置くのです。
それから、パクっとフタをしてパチンと閉じる。
火のついた豆炭は、夜寝るまえに布団の中に入れておきます。
使い方は、湯たんぽと同じね。
このまま入れると、火傷する恐れがあるので、タオルでグルグル巻いたり、毛糸で編んだ袋に入れたりしていました。
豆炭は石綿の中でジワジワとゆっくり燃える。
シバれる冬の夜でも、そりゃそりゃ暖かい。
布団をかぶるとしてくるのは『あんか』の匂いだったと思うわ。
朝まであたたかかったもね。
あの匂いは『冬だけど暖かい』という感覚を蘇らせてくれるのです。
■ アスベストは使われていない現在の『あんか』
ところで、石綿ってアスベスト?
調べてみましたら、昔『あんか』に使われていた石綿は、アスベストだったようです。
今でこそ、アスベストの被害については色々報告されるようになりましたが、子どもの頃は、頬ずりしたいくらい暖かくて気持ちよかったわ。
危なかったね〜。
現在でも、『豆炭あんか』は健在!
豆炭たった1個で一晩中暖めてくれて、しかも暖房費の節約にもなるということで、今でも根強いだそうです。
それもそのはず、石綿にアスベストを使っていたのは昔のことで、現在ではロックウール(岩綿)などの安全な素材が使われているそうです。
面白かったらポチっとね。
1枚目の写真の左のあんかは初めて見ましたが、右のあんかは子供の頃使っていました。あんかで温まった布団は安眠が約束されていましたよね。寝相が悪くて、朝起きるとあんかが布団の外に出てしまっていることも多々ありましたが…。
まいけるさんへ
同じです!布団の外にあったり、蹴飛ばして足のずっと下の方にあったりしました。
あんかを入れる袋は、余り毛糸で編んだものだったので、色んな色のシマ模様ができていました。
資料室には歴史に関するものが沢山あったのに、やはり目にとまったのは、懐かしいあんかでした。