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その1)キップのいいタクシー
手稲駅までタクシーに乗りました。
スムーズにいけばワンメーター。
でもね、今は雪道で道路幅も狭いし、信号を越えるのにもちょっと時間がかかります。
ワンメーターじゃ無理かな・・・・
タクシーが枝道に入ると道路は固まった雪でガタガタ。
小刻みにジャンプすながら進みました。
北海道で言うところの ” そろばん道路 ” です。
『冬はこんな道だから大変ですね』と言うと、
運転手さんは「いやあ、なんもなんも。冬はこんなもんさ」
と、慣れたハンドルさばきで、ガタガタ震えるハンドルを握っています。
向こうから、はやりそろばん道路に揺すられながらやって来るのはボックスタイプの乗用車。
いつもはらくらく交差できる道だけど、冬は大きな雪壁ができるので、どちらかの車が広い場所で待機して、道を譲らなくては進めません。
車同士、初めはお互いに様子を見ながらゆっくり進んでいきます。
いつのまにか私も運転手さんのシートにつかまって、身を乗り出して様子を伺っていました。
そのうち、むこうの車がサっと横に避けてくれました。
それを見た運転手さんはグオ~~ンとアクセルを踏み一直線!
おお~、 いきなりのアクセルに、運転手さんの後ろから顔を出していた私はガボっとシートにのめり込む。
ガタンガタン・・ジャンプジャンプ・・タクシーと私のお尻は大きく宙に浮く。
避けてくれた車に『どうも』と片手で合図する。
これでホっとするかと思いきや、車はスピードを緩めずブオ~ン。
そのまま交差点へ滑り込む。
ありゃりゃ〜と思った私の目玉は、交差点に侵入しながら確かに青信号が黄色に変わったのが見えました。
運転手さんは、さっき道を譲ってもらった瞬間にはすでに、この信号も把握していたんだね。
車は交差点で止まることなく、なんなく走り続けます。
思わず「運転手さん、すごい!さすが!」パチパチパチっと拍手しちゃった。
『いやあ、なんもなんも』
興奮している間にも手稲駅に到着です。
できれば手元の小銭を使いたいと思ってね、お財布の小銭全部を手のひらに乗せてみたら、100円玉と10円玉がけっこう入ってる。
1枚2枚・・6枚
「670円です」
『はい、あら、10円足りない!すみませんちょっと待って下さい』
慌てて小銭を戻してお札を出そうとしたら
「いいよいいよ、お正月だから、10円サービスしとくから」
『え、いいんですか!ありがとうございます』
気前がいいのか気が短いのかよくわかんないけど、運転手さん、ありがとう。
その2)良心を乱すタクシー
その日2度目のタクシーは旦那さんと一緒。
先に私が乗り込もうとしたとき、シートの上に10円玉が乗っているのを見つけました。
『運転手さん、10円落ちてましたよ』
「あら、そりゃどうもども」
今日は10円に縁のある日だわ。
料金は910円。
1000円札を出すと、
運転手さんは『はい、おつり100円ね』と、100円玉を手渡してくれました。
「あ、10円10円・・・・・」
お財布をまさぐるも、そうか、さっきのタクシーで10円足りなかったんだったわ。
運転手さんは
『いいですよ、乗ったときに10円もらいましたから』と言いました。
「え、いいの?いいの?」
またまた10円得しちゃった!
その様子を車の外で見ていた旦那さんが
「はい、10円」と私の目の前にスーっと手が伸びて運転手さんに10円玉を手渡しました。
そ、そうだよね、他人さまの10円を使うなんて・・・・・
私ってホント、セコかった。
面白かったらポチっとね。
おはようございます
とても良いお話 ありがとうです
二人の運転手の標題の内、二人目のを読み間違えました 悪い運転手かと思って読み進み自分の一人誤読み最後に気づきました
筆者のぽぷらさんが自分のことを言い表わされていたのだと
三人目に登場された男性 とても粋ですね
惚れられること当然ですね
弾むオイド 鳴り渡る両の掌 微笑みました
わたしも、楽しい一日を期待させられました
t22tさんへ
冬道を走る札幌のタクシーの運転手さんは、本当に大変だと思いました。
短い距離にもかかわらず快い対応をして下さり、乗せてもらう側としても、気持ちよく乗車させて頂きました。