まだ生きている殻付きホタテ。
貝の間に指を入れようもんなら、パクっと挟まれちゃうほどの生きのよさです。
ホタテの貝殻に、白くて硬いクネクネしたミミズのようなものが付いています。
毎年、ホタテ貝を取り寄せているにもかかわらず、そういうもんだと思っていたし、気持ちはすっかりホタテを食べる方向に向いていたもんだから、貝殻にくっついているもののことなんか、ちーっとも興味がありませんでした。
この元気なホタテ貝、お刺身にしようかな〜、それともバター焼きかな〜・・・・
と眺めていると、その白くて硬いクネクネしたものの先に、なにやら黒っぽいものが見える。
なんだ?
ゴム手でちょっと触ってみると、消えた?
じゃなくて、引っ込んだの?
虫?
もしかして見間違いかもしれないので、他の貝殻もよーく見てみると・・・・
いたいた!
油断して顔を出している!
中には、まだちゃんと住人が住んでいたんですね。
この虫の正体は、いったいなんだべ。
この生き物はゴカイの仲間でカサネカンザシという生き物だそうです。
引っ張り出すことはしなかったんだけどね、姿はミミズみたいらしいです。
でも、海の中では、イソギンチャクみたいに、触手をふわわわ〜〜っと広げているんですって。
ベビーホタテのお味噌汁なんかをしたときは、もしかしたら一緒にカサネカンザシも食べちゃっているかもしれないけれど、無害なので大丈夫。
考えてみると、お店で売られている殻付きのホタテには、ゴカイなどの付着物は取り除かれて奇麗に洗われているものが多いですね。
でも実際には、いろんなものがくっついている。
野菜だって本来は、虫食いの穴があって当たり前なんだけど、私たちはいつのまにか奇麗で形のよい野菜が良いものであるかのように錯覚してしまっているのかも。
ホタテ貝だって、本来は海の中でいろんなものと一緒に暮らしていて当たり前なのに、ついつい、奇麗な貝殻の姿ばかりを見ているせいか、ゴカイがくっついているのをみるとギョギョっとしちゃう。
見た目にも奇麗にしてお店に並べたい・・・と心がける生産者さんたちの見えない苦労を、たまには思い出すことも重要ですね。
ホタテは性転換する生き物だった
ホタテのオスとメスの見分け方
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