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『てぶくろを買いに』という童話をご存知でしょうか。
先日、美容室に行った時にこの本が置いてあったので、懐かしくてページをめくってみる事にしました。
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『それは、ある冬の事。母ギツネは、冷たい手をしている坊やが可哀想で、この小さな手にあう手袋があったらどんなにいいだろうと思いました。
母子は夜になってから山を降り、町の灯りの見える所までやってきたのですが、母ギツネは、昔、人間に恐ろしいめにあっているので、どうしても足が進みません。
仕方がないので、坊やの片方の手を人間の手に変えて、「お店に行ったら、戸のすき間から人間の手の方を差し出して『手袋を下さい』と言うんだよ、決してキツネの手を入れてはいけないよ」と言って送り出しました。
でも、ああ、なんてことでしょう。坊やが戸のすき間から差し入れたのは、キツネの手の方だったんです!
絶体絶命!子ギツネどうなる!!
帽子屋のおじさんは、キツネとわかっていたけれど、差し出されたお金を合わせてみるとカチカチと音がしたので、暖かい手袋をくれました。
こうして、坊やは山に戻って行きました。めでたしめでたし』
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目に浮かぶような冬の美しいストーリー。このお話を初めて知ったのは、たしか小学校の国語の教科書だったような気がします。
子ギツネが間違って、キツネの手を差し入れた時はもうハラハラ。帽子屋の優しいおじさんがちゃんと手袋をくれた時には、その優しさにほのぼの。なんて素敵なお話なんだと思いました。
しか〜し!!
あれから40数年、おばちゃんと言われる歳になって読み返してみると、ちょ〜っと納得がいかないところがありました。
いくら、しもやけの坊やがふびんとはいえ、殺されるかもしれない街に、こうも簡単に我が子を行かせる母親がいるでしょうか。
お話しの世界の事なのに、自分がすっかり母ギツネになってしまい、童話の名作に、いちゃもんをつけている自分がいます。
あとで、このお話についてちょっと調べてみましたら、作者は新美南吉という人で、29歳(1943年逝去)という短い生涯を終えた方でした。
そうだなあ・・・母親の立場からだと、どんなストーリーになるのかな。
『小ギツネは、大人のキツネ達が「人間の町には手袋という暖かいものがある」と話していたのを聞いて、どうしても行ってみたくなりました。
母ギツネは「絶対に行ってはダメだよ」と、人間の恐ろしさを子ギツネに言ってきかせました。
でも子ギツネは「母さんがなんて言おうと、僕は絶対に行くったら行くんだもん!」と言って聞きません。
仕方なく、母ギツネは夜になるのを待って、小ギツネと町の灯りの見える所までやってきました。
母ギツネがしてやれる事は、子ギツネの片方の手を人間の手に変えて、本物のお金を持たせてやる事でした。
「決っして、キツネの手を見せてはダメですよ」
月あかりに照らされた雪の上を、子ギツネはピョンピョン跳ねながら街の灯りに消えていきました。それを見ていた母ギツネの目から、涙がポロポロと流れ落ちました。
===== 中 略 ====
夜がしらじらと明けてきた頃、小ギツネは元気に戻ってきました。
「お母さん、町には、怖そうな犬や人間がいたよ。でも帽子屋のおじさんは、優しかったよ」
目をまん丸くして次から次と出来事を話す子ギツネに、母ギツネはいちいちうなずいてから、そっと子ギツネを抱きしめましたとさ。
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きつねのお話はしりませんでした。狐のはじめてのおつかいにしてはとても危険なおつかいですよね。私が小さい時に読んで今も記憶に残っているのは小さいお家という童話です。
こんばんは。
キツネのお話って、沢山あるのですね。
とっても身近な動物って事ですよね。
北海道でもキタキツネに、時々出会う事があります。
あの可愛い姿を見ると、やはり、童話が沢山できるというのもうなずけますね。