北海道・札幌発・だべさ通信5

台風がマリモをどうやって救ったか

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朝のニュース、「手稲山にも雪が降りました」。
え、なに、とうとうきたか!
思わず窓から手稲山を見てみたけれど、ちょうど雲がかかっていて白いものは見えませんでした。
この夏、北海道に上陸した台風の爪痕はまだ癒えてもいないのに、季節はどんどん進んでいっちゃうのね。

 

 

■ 台風がマリモをどうやって救ったか

そんな中、北海道をかまかした(かきまぜた)今回の台風7号が、なんとマリモを絶滅の危機から救ったというニュースが報じられました。
マリモは小さな藻が集まったもので、阿寒湖のマリモが大きく丸く成長するのは、ゆりかごのように流れる水の流れと、ちょうどよい光合成のできる環境があるからではないかと言われていて、現在は絶滅の危機にある天然記念物です。

台風7号は、その強い風で阿寒湖の水もかまかして、今までマリモの成長を妨げていた水草を、なんと122トンも岸に打ち上げたそうです。
水草が増えると、マリモの光合成に必要な光がさえぎられたり、マリモが上手に転がれない心配があるので、釧路市では、以前から水草の除去に取り組んできました。
でもここにきて、一気に台風が助けてくれたという事ですね。
おかげで湖の中がすっきりして、マリモの生育しやすい環境になったという事です。

 

 

■ 台風は時々マリモも打ち上げる

今回は水草を掃除してくれた台風ですが、強い風は、時にはマリモ達も岸に打ち上げちゃう事があります。
以前は、マリモを守るために、再び阿寒湖に戻す事がよいのではと言われたこともありましたが、最近の研究では、実はその事もマリモ達にとっては計画通りだった事がわかりました。
大きくなったマリモが重なり合うこと、自分たちの下にいる小さなマリモ達の光合成ができなくなってしまいます。
そこで、大きなマリモは若いマリモ達に光合成を促すために、自らを岸に打ち上げてもらうのではないか、という事です。

 

 

■ ちぎれたマリモは再生する

数年前、阿寒湖のチュウルイ島にあるマリモの展示観察センターというところに行った事があります。
大小様々なマリモが展示してあるんだけどね、直径がバレーボールみたいに大きいのもありました。
私が見た大きなマリモの中身は空洞になっていました。
だから強い風が吹くと、体が大きく浮きやすいマリモが岸に打ち上げられるのかな・・・と思いました。

 

 

岸に打ち上げられたマリモはバラバラにちぎれてしまいます。
けれど、そのカケラから、また新たなマリモがコロコロ転がりながら作られていくそうです。
マリモはまさに、風と太陽で暮らしている、不思議な生きものですね。
ちなみに、お土産屋さんで売られているマリモは、人工的に丸めて作られたものですヨ。

チュウルイ島のマリモ

 

 

チュウルイ島のマリモ

 

 

マリモ

 

 

マリモ

<2010、阿寒湖のマリモ観察センターにて>

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