北海道・札幌発・だべさ通信5

バスの中でもたれ掛かっていた二人の関係は

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手稲営業所行きバスに乗ったのは夜の9時頃。
車内の席はいくつか空いています。
よかった、一番後ろの席も空いているわ。


あら・・・・
後ろの席では若い男女がまあ馴れ馴れしく、女性が窓際の男性にぐったりもたれかかっています。
長い髪が男性の肩から腕に下がっているわ。
ふたりは仲良しなのね、はいはいわかりました。
おばさんは少し離れって隣の席へ。



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バスは第一鳥居前を右折して国道5号線を通り、地下鉄宮の沢駅へ。
それから二つ目か三つめくらいのバス停だったでしょうか。私がバスに乗ってからはすでに30分以上。
バスが止まると、いきなり隣の女性が席を飛び出すように小走りでバスを降りで行きました。



?? 隣の男性は・・・・座ってる。
” じゃあね”  でも  ”バイバイ” でもなく、無言で降りていった彼女。
ってことはもしかして、ふたりは他人??
彼は寝ている彼女に、じっと肩を貸してあげていたことになりますよ。
ちょっとは自分の体の向きを変えたり、座り直したりもしたかっただろうに、結構な時間を我慢していたんだね。
それから幾つかのバス停を過ぎた頃、彼は何事もなかったように降りて行きました。


家に戻ってから、優しい男性のことを旦那さんに話したら、
「そりゃあ若い女の人だったらなんぼでも肩くらい貸すべや」だと。
『そんなもんか。 じゃあ私だったらどうなんだ?』
「肩を押してあっちにやるに決まってるべや」
肩をグイッグイッって動きまでつけてまあご丁寧に。


ま、そりゃそうだわね。
バスを降りていった時の彼の表情が、そういえばちょっとニヤけていたかなあ・・・・なんて思えてきちゃったべさ。


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