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定山渓温泉からの帰り道も、旦那さんのワゴン車は内地からのお客様の車を先導して走りました。
今度は、私たちの車に二人の叔母ちゃんが同乗しました。
定山渓温泉を出てまもなくすると見えてくるのが切り立った崖の見える八剣山。
叔母ちゃんが「は~、なして札幌はこない高い山ばかりあるのよ?」と訪ねて来たので、
旦那さんが「あれはね、八剣山という山で・・」と答え始めると、
「あれ~、畑さ何作ってんだあ~~北海道はミカンは採れないべよ」と、いきなり話題が別の方へ飛んじゃう。
「北海道ではっしゃ、笹でお茶つくるんだべ?」と言うので
『ああ、笹茶っていうのもあります・・』と半分言いかけると
「ほれ〜!そのへんにいっぱい生えてる〜!体にいいんだってばね〜」と返ってくる。
「家が多くなってきたなあ」と言うので、
旦那さんが「この道を200mくらい行けばもうすぐ街・・」と言い始めると
「あれ~、あれは学校だべ~」とまたまた飛ぶ。
聞いてるんだかいないんだか、それとも叔母ちゃん達の興味をそそるものが多すぎるのか、とにかく子ギツネにも負けないほどの好奇心が止まらない。
旦那さんも苦戦している様子です。
私も思わず苦笑いしちゃった。
「ぽぷらちゃん」
『ハイ!』
「あれ、なんだか白い花が咲いとるっちゃ、あれ、何て言う花だべ?」
お、今度はこっちに回ってきたぞ。
『あれはオオウバユリって・・』
「あれ~、この黄色い花がオラんちの所にもいっぱい咲いてっちゃ~」
『あ、それはタンポポモドキって・・・』
「これっしゃー夕方になるとしぼむんだっちゃ~」
まだ話しが終わっていないっちゃ〜!!
岩手の叔母たちにとっては珍しいものが次々に登場するようです。
オオウバユリなんかは岩手県にも生えているだろうけど、確かに、内地と比べてみると動物も植物も違うところがいっぱいあります。
北海道と本州の間には津軽海峡の他にもう1つ、生物たちの生態系を分ける境界線『ブラキストン線』と言われる線が通っているそうです。
動物で言うなら、北海道の『山おやじ』こと、ヒグマがいい例です。
本州にはいるのはツキノワグマだもね。
猿やイノシシ、ニホンカモシカも北海道には住んでいません。
逆に、キタキツネやエゾリス、エゾシカなど、・・・エゾ・・・とついた生き物はみな、北海道で暮らす為のなんらかの工夫を身につけた北海道の生き物。
そうそう、内地の子ども達は、でんでん虫を見て驚いていました。
”こんな大っきいの見た事ない!”
去年だったか、北海道のそこいらへんに住むでんでん虫『エゾマイマイ』は、的を威嚇するときに、背負ってる貝の部分をグイ〜っとひねる動きを見せるときがあって、それは世界でもすごい発見だったと、ニュースで言っていたのを見て、『北海道のでんでん虫ってすごいんじゃん!』と思いました。
もしかしたら、私みたいなチョッカイを出す子ども達が多いもので、たまりかねて貝をグイ!っとねじって ”うるせっ!”とやったのがきっかけだったのかもね。
叔母ちゃんたちは、この『ブラキストン線』によって生じる自然の違いを次々と発見しながら、興奮さめやらぬうちに、我が家に到着したのでした。
八剣山のこと>>
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