北海道・札幌発・だべさ通信5

桑の木は北海道を支えた絹の脇役

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山グワの実が黒く熟しました。
熟した実は甘くて美味しい。でも柔らかいので、つまみ取るときに力が入っちゃうとつぶれちゃいます。
そしたら赤紫の汁がでるもね。

 

■ 桑の実の汁は付くと落ちにくい

汁が服につくと、なかなか取れない。
だから沢山食べると、指先や口の回りも真っ赤になって、吸血鬼みたいになっちゃう。
人が見たらギョエ!っとなる恐れもあるね。

桑の実

 

 

■ 桑の葉は お蚕(カイコ)さんが食べる

実は甘酸っぱくて美味しいけれど、桑と言えば、その葉は お蚕(カイコ)さんのエサですね。
カイコとはカイコガという蛾の幼虫で、糸を吐き出して繭(まゆ)を作り、その中でサナギになります。その糸を取り出したものが絹です。

 

■北海道には養蚕農家が8000戸以上あった

札幌の『桑園』っていう所は、名前からしても昔は桑畑だったことが伺えますね。
桑園には本州から持って来た桑も植えられたそうですが、やはり北海道に自生している山桑が寒さにも強かったので養蚕(ようさん)に使われたそうです。
なんと、明治の北海道の養蚕農家は8000戸以上あったそうです!!

 

 

ほんと?ほんと?って思うっしょ。
私もね、そう思ったの。したっけさ、北海道開拓の村に行ったときに養蚕農家の表があってね、それを見てびっくりしたもね。
空知支庁がもっとも盛んで2500戸以上の養蚕農家がありました。
かつての北海道は、桑の木たちが支えていたと言っても過言ではなかったのです。

 

北海道開拓の村には、蚕種製造所(さんしゅせいぞうしょ)という建物が保存されています。
養蚕農家はカイコガを飼っていたわけではなくて、卵を蚕種製造所から仕入れるのです。
お暇でしたら、以前に書いた北海道開拓の村の蚕種製造所とカイコのことをご覧下さいませ。

 

そんなわけで、北海道には山桑の木がいっぱいあります。
きっと、桑畑に植えられた桑の木の子孫たちも沢山いるでしょうね。
この林の中にも、何本もの桑の木があります。
もしかしたら 、この大きな木は おカイコさんを育てていたころの遠い記憶があるのかもしれない。
そして今は、葉っぱじゃなくて黒く熟した甘い実を、鳥やアリたちに、おすそ分けしているのかも。

 

山桑の実

 


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