北海道・札幌発・だべさ通信5

敵か味方か6月はニセアカシヤの咲く季節

ニセアカシヤ
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札幌は よさこいソーランが始まりました。
老いも若きも、ほとばしるエネルギーで、新緑の札幌は今 燃え上がっています。


札幌の街といえば、ちょうど今頃咲き誇るのがニセアカシヤ(ハリエンジュ)。
年配の方ならご存知かと思いますが、西田佐知子の『アカシヤの雨が止む時』や石原裕次郎の『恋の街札幌』など、歌謡曲の歌詞に登場するくらい、ニセアカシヤは札幌のシンボル的な街路樹です・・・いや、でした・・・と言うべきでしょうか。


ニセアカシヤ
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札幌駅前に華やかに登場したニセアカシヤ


『なぜなに札幌の不思議』という本によりますと、北米原産でマメ科のニセアカシヤが日本に初めてやってきたのは1873年(明治6年)のことだそう。
1885年(明治18年)に札幌停車場前(札幌駅)の通りに風格をかもしだそうと、6mおきに桜や柳と共に街路樹として植えられたそうです。


その後もニセアカシヤが次々に植えられ、北原白秋の『この道はいつか来た道、ああ、そうだよ、アカシヤの花が咲いてる・・・・』と歌われるほど、札幌の街に似合う街路樹になりました。

ニセアカシヤ

ニセアカシヤは受難の時代に


ニセアカシヤが札幌にどのくらい植えられたかはわかりませんが、私が子供の頃の話ですから60年も前にはすでに大木となって、家の前に何本も立っていました。



花を咲かせる頃は決まって札幌祭りが始まる頃。
6月の15日前後には甘い香りを漂わせるので、”ああ、札幌祭りの時期が来たんだあ〜〜” と思ったものです。



ところが、札幌の街路樹としてたくさん植えられたニセアカシヤですが、街の開発と共に道路が拡張され、ニセアカシヤは次々に姿を決していきました。
現在では新しい道路が作られても、ニセアカシヤが植えられることはなくなったようです。


なしてかっ・・・・ニセアカシヤは外来種だったからであった!
数年前、外来種のニセアカシヤの伐採を進めようとテレビや新聞などで話題になったことがありました。
でもすでにニセアカシヤの繁殖地域は広く、市民権を得ていると言ってもいいくらい。
太く大きな大木となったニセアカシヤの木を伐採するのは大変です。
草のようにむしっては投げむしっては投げができるわけじゃないもんね。



札幌に渡って来てから、すでに100年以上が過ぎてしまった今となっては、完全に伐採するのは容易なことではないでしょう。


ニセアカシヤ


ニセアカシヤのハチミツ


一方で、アカシヤでよく知られているのがハチミツ。
『アカシヤのハチミツ』として売られているハチミツは、この『ニセアカシヤ』のハチミツです。


レンゲやクローバーなど色んな花のハチミツがありますが、ハチミツって寒いところに置いておくと固まってしまいますよね。
ところがアカシヤ(ニセアカシヤ)のハチミツは気温の低い場所でもカチカチにならず、とろ〜りをしたままなのが特徴だそうです。
それはもしかしたら寒い地域でも育つ植物だからかな??


しかも、アカシヤ100%のハチミツを食べたことがない者が言うのもなんですが、その甘味にはクセがなく日本人の好みにぴったりなんだとか。
今や日本人にとっては欠かせないアカシヤのハチミツ。
だから養蜂家にとってもニセアカシヤは大切な木なんですね。



周りになんて言われようと、ニセアカシヤは毎年少しずつ大きくなっては種を撒き、今年も真っ白なフサをいっぱい付けています。
アカシヤよ、あんたたちの運命は、美味しいハチミツを人間にどれだけ提供し続けるかにかかっているのかもよ。



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