お爺さんと お婆さんになるとき

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こういう時に限って、午後になっても仕事がワタワタ続いている。
旦那さんと席を並べて、あーでもないこーでもないと、頭の中がこんがらがっているときでした。

 

「どーもー」
いつもかけ声と同時に入ってくる阿部さんは、爺ちゃんのときからのなじみの郵便局員さんで、事務所に来ては世間話をして帰ります。
たしか先日は 「今年も大トロナスの種を通販で申し込んでくれない?」だった。
ちょうどいいわ、まずは一時休憩、お茶でも飲みましょうか。
「いや~雪とけましたね~、新しい中学生が今 帰ってきましたよ、早いもんだ、もう4月だもなあ」
阿部さんはそう言って、お茶をすすると、
「ウチなんか孫5人もいるからさ、春になると、まー色々とゆるくない(しんどい)ですよ」と言ってまたお茶をすする。
『ホントにねえ、春は色々と物入りですよね』

 

 

「あれ?そういえば、ぽぷさんとこって、お孫さんいなかったっけ?」
” え、ええ、まだなんです ”
「あ、そっかそっか、そうだった」

 

 

そのとき、携帯にメールが入りました。
あ、長女の婿のお母さんからです。
「どうですか?」
さっそく返信
『もしかしたら今日かもだそうです、時々、メールしますね』ピッ!
ピロリ~ン「わかりました!」

 

旦那さんが言いました。
『多分、今日できるかもしれないけどね・・・』
「へ~・・・・今日ですか~・・・・今日?!なに!娘さん?今日生まれるってかい?!」
阿部さんは、お茶をすすろうとカップのフチに顔を近づける直前で、丸めていた背中がピンと戻りました。
「こりゃこりゃ、僕がこんなところでお邪魔している場合じゃないな、帰らんと」
阿部さんは、カバンの中から粗品のティッシュを取り出すと、ハイ!っと置いて立ち上がりました。

 

それから
「そうだそうだ、それなら営業もせんとならんな」
と言って、カバンの中をゴソゴソなにかを探してる。
へえ、阿部さんも営業するんだ。

 

「あ、これこれ、置いていきます」と言って取り出したパンフレット。
『かんぽ生命の 学資保険 はじめのかんぽ』?
「それじゃあ僕はこのへんで」
阿部さんは、今までに一番短い滞在時間で帰って行きました。
学資保険ねえ・・・・
そういうのも考えなくちゃいけないのか・・・・

 

そのとき電話が鳴りました。
婿からです。
『あ、もしもしお母さん。あの、もう少しで生まれると看護士さんが言ってます・・・・』
「え、生まれそうなの?!わかりましたこれから行きます」ピッ
「ほれほれお父さん、行きましょう。仕事なんかほっぽらかして」
長女は里帰り出産で、しばらく前から我が家に来ていたのですが、偶然、婿も休みで来ていた時でした。

 

あ、そうだ、あちらのお母さんにもメールしなくっちゃ。
『もうすぐ生まれそうなのでこれから病院に行きます』ピ!
すぐに返信が来ました、ピロリ〜ン「ひえ〜、がんばれ〜」
『了解!』

 

 


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