北海道・札幌発・だべさ通信5

60歳の乙女たちのジレンマ

Pocket

「3月ももうすぐ終わりね」
S子さんは、首をうなだれるようにため息をつきました。
ほんと、もうすぐ4月だなんて早すぎだよね。

 

「私、4月になったらもう60歳だよ。みんなより早く歳とっちゃうし」
確かにね、子どもが幼稚園に入るときは、4月生まれだと早生まれの子よりは成長しているから心配は少ないということはあるかもしれない、けど、この歳になると早く歳が増えちゃうってことだもね。

 

彼女は仕事を止めてもう2年。
ケガや親の介護などに時間を費やし、それ以後は何度か仕事の面接を受けるも採用されない。
そのうち、今まで感じたことのない体の不調がポツリポツリと顔を出し始め ”こんなはずではなかった” という思いが芽生えはじめる。
それでも、体が動く間は、何かの仕事につきたいというジレンマで、毎日を過ごしているのだという。

 

わかる・・・・・わかるよその気持ち!

 

そりゃあね、ずいぶんと物忘れも多くなっているさ。
2杯のコーヒーを入れれば、あれ?とお砂糖を入れのがどっちかわからなくなったり、レンジを開ければ昨日の晩にチンしたものがそのまま入っていたり、事務所の玄関のシャッターを下ろさずに自宅に戻ったりしたことも・・・・はいはいあります認めますよゴメンナサイ。
それでも私は今のところ、なんとか旦那さんにクビにされずに事務所に通っているけれど、これが一般の会社じゃあとっくにお役御免だよね。

 

そうは言っても60歳は赤いチャンチャンコを着てご隠居なんて言ってる場合じゃございません。
生活のためにも、もっと働きたい女性がいる現実に沢山いるのでございます。
そんな私たちに、何かいいアイディアはないものか・・・と、寝床の中で考えるも、またいつもの朝がきちゃったさ。

 

クッキー

 

 


人気ブログランキングに登録中

スポンサーPR



Pocket

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA