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そのおじさんは札幌生まれの札幌育ち。でも、おじさんがここで暮らしているのは、おじさんの祖父が子供の頃に、曾祖父に連れられて、広島県からこの地域に開拓に入ったからだそうです。北海道は、広島からの開拓移民も多くて、西区には『広島通り』があるし、札幌のとなりには『北広島市』があります。どちらも、故郷の名前を付けたんだね。
それでこの夏、おじさんは息子と二人で、広島へ先祖の足跡を探す旅に出ました。
「広島に着いてハッとしたよ。親父や爺さんがしゃべっていた言葉が、回りで皆がしゃべっているんだよ。『ありゃーせん』とか『いよーりゃーがる』とか。オレも、物心ついた時にはしゃべってたべさ、だからなんかこう・・懐かしいものを感じたよ」
広島では、曾祖父時代の親戚にも会ったそうです。
「そこで、またびっくりよ。その人達と、俺たちの顔立ちが似ているんだわ。その時、俺は確かに広島の血だと実感したね」
それからおじさんは、曾祖父の住んでいたという町を尋ねました。
当時の町の名前はとっくにないけれど、このあたりではなかろうかという町をブラブラしていたそうです。
その時、おじさんは見つけました。
「ここだ、ぜったいここだと思ったね。息子が『どうしてわかるのさ』って聞いたから言ってやったよ。」
おじさんは立ち止まって
「おい、見てみろよ。ここ、何処かに似てないか?ほら、オレらが住んでる手稲の町さ」
そこは海が近くて、山の懐に抱かれている平野の町。
「本当だ、すごく似ているね」
おじさんはその景色を見て、曾祖父はきっと、故郷に似たこの風景を見て、自分達が今住んでいるこの場所を開墾しようと決めたに違いない・・と思ったそうです。
もし私が未開の土地に入って、自分の故郷にも似た場所を見つけたら、きっとそこを選ぶと思う。
新天地に希望を抱いていても、心は故郷にあるもんね。
だから、『広島通り』や『北広島市』と名前が付く。
おじさんは、手稲に似たその町を、故郷のように思ったそうです。
「今度は九州に行ってみるさ、父親が亡くなるまえに『九州にも行ってみろ』って言ってたからさ」
広島で生きたご先祖様は、どうも、九州から来たらしい。
今度は九州に、もう一つの故郷が見つかるかもしれないと、おじさんはひそかに望郷の念を抱いているそうです。
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私の父方の祖母が、広島県の出身でよく「・・・そうじゃけんのう」と言っていました。北海道の言葉では無いけれど、何かすごく子供心に郷愁を感じていました。プロ野球の広島が、日本シリーズに出たときなどは、カープを応援していました。
母方の祖母は、小さい時に親に連れられて石川県から、北海道に来たとききました。
そんな私は今、本州に住んでいます。
関東生まれの娘からは、「北海道出身って、いいよね!」と言っています。一種のステイタスみたいなものでしょうか?
時代は変りましたね!
かつて、私たちのご先祖様たちは、いろんな想いで、北の大地にたどり着いたのでしょうね。
遠い故郷を懐かしみ、道内各地にその面影を求めたのかもしれませんね。
「くにまる」さんも書かれていますが、北海道出身というと、いい~イメージがあるようです。私もそれは感じます。
わが故郷を取り上げていただき有難く思います
北広島市の地名あることは知ってましたが、札幌の隣接市とは知りませんでした
またひとつ偉く(?)なれました
広島弁は非上品で情緒も乏しく聴きよいものではありませんね
口喧嘩の道具としては最適かも知れません
そうはいっても、故郷の言葉です
若かりし頃、長期休みに鈍行列車で帰ってくると、故郷に近づくにつれ人の乗り降りとともに備後訛りが増えてきて、ああ帰ってきたのだと強く感じました
岬を回り尾道水道に映える灯りに何故か目潤ませもしたものです
つい、若返らせてもらいました
くにまる さんへ
そうなんですか。小さい頃から聞いていたお婆さまの言葉は、くにまるさんにとってはやはり、懐かしい言葉なんですよね。
わかるような気がします。
くにまるさんが、昔聞いたお婆さまの言葉に懐かしさを感じたように、娘さんにとっては、北海道の言葉が、とても素敵に聞こえるのでしょう。それって、とてもいいなあって思いました。
お国の言葉っていいですね。
おたこ さんへ
”いろんな想いで、北の大地にたどり着いた”
本当にそうですね。
故郷を、ずっと思い続けていたのでしょうね。
北海道出身という事が、とてもよいイメージと聞いて、とても嬉しくなりました。北海道は地の果てみたいに思われているのかもって思っていましたから、なんだかとてもほっとしました。有り難うございます。
片思い さんへ
北海道弁も、あまり上品ではない印象のようで、本州から来た人に、なんだか怒られているみたいと言われた事がありました。
でも、そんな事は絶対ありませんよね。
列車の中で聞いた故郷の言葉にほっとする気持ちがよくわかります。
故郷の言葉は、癒しそのものですから。方言は、大切にしたいと思います。