北海道・札幌発・だべさ通信5

婆ちゃん、せめて50%ずつにして

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夜中の2時ころ、婆ちゃんからのピー(インターフォン)が鳴りました。
『もしもし母さんかあ、おら 具合悪い・・・・』
耳の遠い婆ちゃんは、いつもはボリューム全開なのに、まるで蚊の鳴くような声。

 

 

行ってみると、うなだれて長椅子に座っていたばあちゃんは、お腹を指刺して「血が出るのよ・・・」と言いました。
さっそく横になってもらい、爺ちゃんのモモヒキ、ズロース、薄いズロース、紙おむつの順番で下げてお腹を見てみると、!!
ストーマの袋の中に、けっこうな量の血が溜まっています。

 

 

※ 説明しよう・・・ストーマとは、人工肛門のことである。
お腹の皮膚から直接、腸の先を外に出しているもので、便は、お腹にあてた袋の中に落ちるようになっている。
袋は簡単に交換でき、健常人と変わらない生活ができるのだ。
つまり、肛門がお腹にある、という事だ。

 

 

このままではまずい。
婆ちゃんには、さらにガッチシまかなって(身支度をして)もらい、旦那さんと病院の救急外来に行きました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

診断では、腸からの出血の可能性があるという事で、即、入院の準備です。
ベッドに寝かされた婆ちゃんには、いろんな機械や点滴が付けられました。
「母さん、その点滴まだ終わらないのか?なんぼいった?(どのくらい減った?)朝には帰れるんだべ?」
『今日は無理かな』
「早く点滴終わったら帰れるべ?もっと早くポタポタできないのか?」
『あのね、何日か入院だって』
それを聞いた婆ちゃんは、とたんに話もせず動かなくなりました。
婆ちゃんも88歳、正直、”覚悟” という気持ちもぬぐいきれません。

 

 

旦那さんは、入院に必要な物を自宅に取りに行き、私は付き添って、次の検査を待ちました。
5時になろうとしている頃に、魂が抜けたみたいに動かない婆ちゃんは、検査を受ける為に特別な部屋に連れて行かれました。
20分・・30分・・・・
まもなくすると、ドアの向こうから笑い声が。
ストレッチャーに乗せられたばあちゃんが出てきました。
手を上げて「看護婦さんも大変だねえ~」なんて看護士さんと会話してる。
結局 出血の原因は、ストーマの回りの小さなキズであることがわかりました。
その出血も、もう止まっています。

 

 

時刻はもうすぐ午前6時になるところ、夜が明けました。
最後の会計に呼ばれるのを待っている間、私は今までの緊張が取れたのか、急に眠気に襲われました。
婆ちゃんはというと、すっかり気持ちも回転180度。
「母さん、物置のカボチャ腐るぞ、食べないと」
”う、うんそうだね・・・・ウトウト”
「母さん、そこの人(病院の職員さん)はやっぱし、病院の学校とか出ないとこういう所じゃ働けないんだべな〜」

 
”う、うん そうだね・・・・・ウトウト””
「母さん、○○さんちからもらったホッケ、いるか?」
”い、いや、いいよ・・・・”
「母さん、あれ、みてごらん、救急だから子供も来るんだね、あれ~赤ん坊もいるよお~」
”はいはい、そうだね・・・・・ウトウト””

 

 

できればさっきの沈黙を、50%残しておいてほしかった。

 


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6 Comments

  1. すみれ

    お疲れさまでした
    ただちに帰宅?できたということですね
    良かった良かった
    おばあちゃん うれしくて 何か言わずにいられない?って感じになって
    ほっとしたかったんじゃと思いました
    インターフォンがあるのは いい環境だなぁと思いました 何よりおばあちゃんが安心していますよ きっと

    Reply
  2. t22t

    良かった!良かった!
    真夜中の大騒動でしたね
    おばあさん 真夜中、自己診断・観察されているのですね それとも自覚症状で目覚められたかな
    出血原因判明し、帰宅でき、良かったですね
    病院で新年迎えるの滅入りますものね
    母上、家が一番なのですね
    元気になられ、頭も冴えて、ハイ気分全開ですね
    ご苦労様でした

    Reply
  3. ぽぷら

    すみれさんへ
    婆ちゃんにしてみると、とてもショックだったと思います。
    きっといろんな事が頭の中をグルグル回っていたでしょうね。でも、大丈夫とわかって、一気に気持ちが明るくなって、しゃべらずにはいられなくなったんだと思いました。

    Reply
  4. ぽぷら

    t22tさんへ
    ご心配頂き、ありがとうございます。
    夜中にトイレに行った時に、びっくりしたそうです。
    おっしゃる通り、新年は我が家で迎えたいですもね。

    Reply
  5. asakidiamok

    お婆ちゃま、大変なことにならずに本当に良かったですね! 安心されたお二人の様子が手に取るように伝わってきて、私も知らず知らず肩に入っていた力がすぅ~と抜けました。皆さまお揃いで良いお年を!

    Reply
  6.  ぽぷら

    asakidiamokさんへ
    コメントありがとうございます。
    おかげさまで、また新しい年を全員で迎えられそうです。
    みんな元気なのがなによりです!
    asakidiamokさんも、どうぞよいお年を。

    Reply

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