大きな顔して間違えたバスに乗った話

景子の娘、のりちゃんからメールがきました。
” 　サプライズで母さんと温泉に行ってくれませんか？”
同級生の景子は、早朝のパートを終えてからやんちゃな王子（孫）たち２人の面倒を見る毎日。
そんな母親に、つかの間の休息を贈りたいと、なんと私が同伴にご指名されました。

秘密のミッションとは、なんだかワクワク。
” この日は、母さんに休みを取ってもらいましたのでオッケーです　”
『了解！じゃあ、待ち合わせは12時50分に札幌駅で。ミッションの成功を祈る・・・　』
” 了解！ ”

けれど、そこはさすがに母親だよね、あっさりばれちゃった。
景子いわく、「この寒いのにわざわざ休みとってドライブ行くって言うの、おかしいっしょ」
ま、そうだわね。
かくして私は景子と３年ぶりに一泊で出かける事になりました。
行く先は北湯沢温泉ホロホロ山荘。
札幌駅の北口から、北湯沢の各ホテル共同の送迎無料バス１号車に乗り込みました。

出発から１時間半ほどの所にある中山峠でトイレタイム。
中山峠には殆どの観光バスが立ち寄ります。
この日も数台いたけれど、私たちのバスは一番端に駐車しました。
さ、トイレ行ってこよ。

売店で買い物をしていた景子が出て来ました。
「あ、景子、こっちこっち、端っこのバスね」
外で待っていた私は景子を呼んでバスに乗り込みました。
あら、私たちのシートに別の人が座ってる。

そこにいた若い女性は、シートの番号をキョロキョロ確認している私の様子を見て「あ、すいません、」と言って席を立ちました。
「いえいえ、いいんですよ〜オホホホ・・・景子、こっちこっち」
それからどっかと腰掛けました。

・・・・・・

少ししてから景子が言いました。
「ねえちょっと、シートのポケットに置いた、お茶がないよ」
ん？？
そう言われれば私の紅茶もない。
乗ってる人も、さっきよりも随分若返っているように思うし。

もしかして・・・・
間違えちゃった？！
荷物を抱え、　”すいません、すいません ” と、大きな体を小さくして、私たちはバスをそそくさと降りる。
そして、改めてバスを見てみる。

え”〜！３号車でしょや！！

私たちがトイレに行っている間に、３号車が１号車の外側に駐車していたのでした。
バスを降りるときにはナンバープレートを確認してから降りるというのが鉄則じゃないかっ！
なのにさあ、私ったら、気持ちが緩んでいたんだね。
急いで１号車に乗り変えました。
「すみません、すみません、隣りのバスと間違えちゃって・・・・」
運転手さんはニコニコと優しかったけど、ご迷惑をおかけしました。
バスは５分ほど遅れて出発。

こんなオバさん、いるんだよね〜〜

トホホ・・・・