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おじさんのお見舞いに出かけた続きのお話です。
ホテルに泊まった翌朝、婆ちゃんと私達夫婦は、さっそくおじさん宅に出かけました。
おじさんの容態は、あと1年くらいと聞いていたので、ベッドに寝ているのかと思いました。
けれど、婆ちゃんが来るのをとても楽しみにしていたそうで、ちゃんとイスに腰掛けて、私達を待っていてくれました。
婆ちゃんは「はい、おじゃましますよ」と、ちょびっとよそ行きテンションでおじさんの隣りに腰掛けると、「や〜や元気だったかい」と話しかけました。
おじさんは随分痩せていました。その顔は、おじさんの兄、つまり死んだ爺ちゃんに、あまりにそっくりです。やっぱり人間て、家族みんな、同じ骨格をしているんだね。
「○×△□=*○・・・・」私にはよく聞き取れないけれど、婆ちゃんは「あ〜あ〜、あそこのヒデちゃんは、あんたと同級生だったのかい」とか言ってます。話しが通じているようです。
「○×△□=*○・・・・」
「あら〜、したらなにかい、同窓会がまた手稲であるのかい」
それからしばらくのあいだ、懐かしい手稲(札幌)の話しに、婆ちゃんとおじさんは話しに花を咲かせました。
さて、そろそろ おいとまする時間です。
レンタカーは4時までに返さなくてはなりません。おじさんも、疲れて横になりました。
「したらね、わたしゃもう来れないから、あんた札幌に来ればいいっしょ」と婆ちゃんが言うと、おじさんは手を横にふって
「ダメだ・・・」とかすれた声で言いました。
婆ちゃんが立ち上がった時、おばさん(おじさんの奥さん)が「あら?お姉さん(婆ちゃんの事)の靴下へん?」
というので見てみると、婆ちゃんの履いていた左の5本指の靴下の薬指がプラプラしています。中指の部分に足の指を2本入れていたんだね。
おや右もでしょや。
「おら、気がつかなかったもなあ」
靴下の薬指は指が入っていないのでペチャとしてて、そのとなりの指はパンパンです。そんな婆ちゃんの足を見て、みんなニコニコ場がなごみました。ちゃんと楽しいオチをつけるところは、さすがだね。
帰りはとても穏やかな天気に恵まれたので、飛行機から見える北海道の灯りは宝石箱を散りばめたようです。
灯りがだんだん、大きく広がって見えてくると
婆ちゃんは「だいぶ、高度が下がったな」と余裕です。
「そうだね、帰りは早かったね」
「んだなあ、飛行機は早くていいべよ」
滑走路が近づいてきました。
外の灯りを、じっと見ていた婆ちゃんでしたが、やっぱりイスのひじ宛にギュっとしがみついていました。おわり。
お婆ちゃまはほっとなさったでしょうね。 飛行機に乗ってお疲れになったでしょうからゆっくりなさって下さいね
へろへろさんへ
いつも優しいお心使い、有り難うございます。
御陰さまで、毎日、お土産話に花が咲いています。
行ってよかったと思いました。
素敵なポプラさんの周りには素敵な旦那さんや素敵なお婆様、素敵な方々がいらっしゃるのですね。
人徳だなあ。
きりんのみみさんへ
うわあ、そんなに褒めて頂いて有賀とうございます。
いい人達に恵まれて幸せだと思います。
でもね、私は凡人+ちょびっとネジが抜けています。
しかも方向オンチで、物忘れがひどく、アレアレ?とか毎日言っています。