北海道・札幌発・だべさ通信5

しばれる暖かさ

Pocket

PR

 

夕方、私達夫婦は、せいちゃんと待ち合わせをしている手稲の居酒屋さんまで出かけました。
星がちらほら見える夜は、しばれが体の中までしみてきます。雪道を踏みしめるたびに、雪がクックッと鳴りました。

 

 

”それじゃあ、還暦祝いだけど、新年会という事でかんぱ〜い!”
突き出しに出されたウドの苦みが、真冬のしばれを溶かしていくね。
せいちゃんは、亡き兄の親友で私にとっても幼なじみです。

 

 

ほろ酔い気分になった頃、「ぽぷらちゃん、こんな話しがあるんだけど、聞く?」とせいちゃんが話を始めました。
んん、聞く聞く。
旦那さんは箸を止めて、私はひじを付いて手にアゴをのせ、身を乗り出しました。

 

 

「え〜とね〜、ラクダの親子がいたんだとさ」
んん
「ラクダの坊やが母ラクダに聞いたんだと」
ほうほう
「 ”お母さん、どうして僕のヒ爪は3つなの?” すると母ラクダは言いました。 ”それはね、砂漠を歩くのに役立つからだよ” 」
なるほど〜・・・

 

 

「すると、ラクダの坊やがまた聞きました。 ”お母さん、どうして僕の鼻は長いの?” 母ラクダは言いました。 ”それはね、砂漠の砂が入らないようにさ” 」
へ〜 そうなのか・・・
「ラクダの坊やは、またまた母ラクダに聞きました。 ”お母さん、どうして僕の背中にはコブがあるの?” 」
ラクダの坊やはなかなか鋭い質問をするねえ、それで母ラクダはなんて答えたの?
「 ”それはね、広い砂漠を何日も旅をしなくちゃならないから、脂肪を蓄えているんだよ” 」
やっぱしね〜
「するとラクダの坊やはまた訪ねました。 ”お母さん、それじゃあ、どうして僕たちは動物園にいるの?” 」

 

 

・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
プハ〜〜〜〜〜!!

 

 

「いやいやウケちゃったなあ〜。それじゃあ次いくかな」
はいはい

「ある所に、神様と悪魔がいたんだと」
んん、
「その2人が、凄い喧嘩になっちゃってさ、とうとう神様が、悪魔にむかって ”裁判で決着をつけてやる!” って言ったんだってさ」
ほうほう、それでどうなったの?
「悪魔がこう言ったとさ ”ヘッヘッヘ それなら俺様の勝ちさ、だって弁護士はみんな、こっちの見方だからな” 」

 

・・・・・・・・・

・・・・・・・・

おお〜〜!!!

ひんやりしたタチポン(真ダラの白子の酢の物)が、笑いでほとったのどの奥にツルンと入っていきました。
兄が叶わなかったこんな時間を、今こうして私達が過ごしているなんて、不思議だけれど幸せです。未来ってわからないもんですね。
4人がけの掘りごたつ、もしかしたらほら、そこに兄が座っていたかもね。

人気ブログランキング
に挑戦中です!ポチっとして頂けるとランクup。励みになります。

人気ブログランキングへ


Pocket

Leave a Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA