心の扉はカラオケで開く

お盆休みの最後は、子供たちと久しぶりにカラオケに行ってきました。
若い人たちは、声にハリもツヤもあって上手ですね。

誰かが歌う曲を選んで機械にポチっと送信すると、モニタ画面にその曲の題名が現れます。
ピピッ送信・・・ ”青春の影” ・・・・え〜！これ好きな歌だ！
だれ歌うの？だれ歌うの？
♩・・君を幸せにするそれこそが　これからの僕の　生きるしるし・・♩
ウマいっしょ、上手でしょ。パチパチパチ・・・
次、だれ歌うの？お父さん（旦那さん）？あら、前川清！しぶいねえ〜〜

モニタ画面に映る、男女の恋愛模様。
前髪クルリン、眉の太めのワンピースの似合う女性が、真面目そうなスーツ姿の男性と、そっと手を取り見つめ合い、もう君を離しはしないと抱きしめ合う。
はたまた、終わった恋のはずなのに、諦めきれずに女が一人。渚にたたずみ潤んだまなざしで空を見上げる。

私もマイク片手に小指をピンと立て、時々声が裏返っちゃうけど、まあ、それはご愛嬌という事で、悲しい恋の歌をせつせつと熱唱したのでありました。
” ♩ 出会った頃はこんな日がくるとは思わずにいた。あなた、私の幻を愛したの～～♩”
ああ・・・・切ない女心・・・・

”愛してる” だの、”もう離れない” だの、はたまた　”抱きしめたい” なんて、真面目になんか、こっぱずかしくて言えやしない。
なのに歌だと、大きな声で、時には身振り手振りまでつけて言えちゃうんだから不思議ですね。
他人はどう思おうと、歌った本人は少し幸せな気持ちになるものです。
それはきっと、いつもは固く鍵をかけている心の奥の扉が、ちょっとだけ開くからではないでしょうか。

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