北海道新聞が礼文(れぶん)、小平(おびら)に群来(くき)が現れたと報じました。
群来とは、ニシンの群れが産卵のために海岸付近にやってきた時に、オスの精子で海が白く濁る現象のことを言います。
一時は、北原ミレイの歌にもあるように
♬あれからニシンは〜〜 どこに行ったやら〜〜〜♬
と北海道の海からニシンが消えてしまいました。
それが今回は、北海道の北の果て、礼文島の海までもが白くなったというのですから、遠い過去が蘇る光景だったかもしれません。
昔は わんさか獲れたもんで、ニシンは漢字で書くと『鰊』の他に『鯡』とも書く。
魚だけれど、生活を支えてくれる大切なものだから、鯡は ”魚に非ず” と書くんですよ、とバスガイドさんに教えてもらったことがあります。
ニシンは来なくなった原因は、獲りすぎや、山の伐採などによって海へ栄養が流れなくなったこと、さらには温暖化の影響など、いろいろな原因が考えられていますが、いづれにしても群来は幻になったのです。
ニシン復活の兆し
そこで、ニシンの研究が始められました。
すっかり消えてしまったかに思えたニシンだけれど、ほんの一部のニシンたちが北海道の付近の海に残っていたんですと。
そこから孵化事業が始まって、ここ数年でやっと小樽でも群来が確認されるようになりました。
まずは3月頃に親ニシンを獲るっしょ。
それから羽幌にある施設で孵化をさせ、稚魚が少し大きくなったら、今度は厚田、浜益、石狩新港から放流するそうです。
毎年毎年、続けることで、成果が現れてきたんですね。
PR
ニシンは地元暮らしの道産子ニシン
小樽のタクシーの運転手さんから教えてもらったニシンの話をご紹介しますね。
「今、小樽で獲れているニシンは昔のニシンとは違うんですよ。昔、わんさか小樽で獲れてたニシンは、樺太あたりからやってくるニシンだったそうですよ。DNAでわかるそうです。今の小樽のニシンは若いうちに産卵するらしいんだよね、だから樺太のニシンに比べると体も数の子も小さいのさ」
孵化時業との話をまとめると、ニシンは2つの系統に別れているということです。
昔、わんさか獲れていたニシンの多くは、遠く樺太の方から毎年やってきた体の大きなニシン達だった。
ところが、先ほど述べた理由などで、そのニシンが来なくなっちゃった。
ところが、昔からひっそりと北海道の近海だけを行ったり来たりしていた地元が好きな体の小さな道産子ニシンチームがいた。
その親ニシンは孵化事業によって増やされて、現在では小樽や礼文島の海岸にまでやって来るようになり、群来が見られるようになった。
ところで、留萌(るもい)という街は、お正月には欠かせない数の子の加工生産で日本一なんですって。
現在は、その加工に使われるカズノコは輸入に頼っているけれど、これからは地元のニシンの数の子で加工ができるようになるかもしれません。
道産子ニシンチームが、北海道の産業を支えてくれると良いですね。
こちらは留萌のゆるキャラ『カズモちゃん』
カズモちゃんはカズノコ。カズノコは卵(赤ちゃん)なのに、なしてかそのカズノコが赤ちゃんをおぶっているから矛盾だけれど、可愛いからゆるせちゃうカズモちゃんです。
北海道ランキング
br> PR
PR