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昨日の夕方の美容室は空いていました。静かなBGMが流れている中で、お客は私ひとりのようです。
パーマをかける為に髪を巻き巻きしている時に、もうひとり、お客さんが入ってきました。
となりのイスに案内された彼女は学生服を着ています。女子高生なんだね。
スラリと細い男性の美容師さんがやってきました。
「今日はどのような感じに?・・え? ここ短く?え?こっちのほう?」
彼女はの声はか細いようで、彼は何度も聞いています。
それから、場を和ませるかのように
「今日は土曜だけど、学校あるんだねえ、部活ですかあ?」などと話しかけました。
「は、はい・・・・」
腰に付けたガンベルトのようなホルダから、ハサミをすっと抜いてシャカシャカっと彼女の髪を切り始めました。
「そうかあ、部活だと、土日もないもんね〜」
「はい・・・」
私の方はというと、はつらつ元気な女性の美容師さんが、手際よく髪をスーとすくってはカーラーでクルクルと巻いています。
目を閉じてウトウトしていると、
となりから
「え!恐怖の先輩?!」という男性美容師さんの声が聞こえました。
思わず目を開けて、隣りの話しに聞き耳をたてちゃった。
私の美容師さんの手も一瞬止まりました。
そうか、とても怖い先輩がいるのか。
今も昔も部活は過酷なんだなあ。
もしかして、ちょっとドジをすると、”うさぎ跳びをグラウンド3周!”とか、”腕立てふせを100回!”とかさせられて、
”も、もうできません!”なんて倒れ込んじゃうと、”たるんでるう〜〜!!”とか言って、竹刀でベシベシ床を叩かれちゃうのかな。かわいそうに。
男性美容師さんが「どんなところが恐怖なの?」と彼女に尋ねています。
うんうん、それそれ、聞きたいなあ。なんでしたら隣りの私まで聞こえてほしいなあ。
「あ、あの、キョーフです」
「恐怖?」
「あ、あの、恐怖じゃなくってキョウフです・・・」彼女はがんばって、少し大きな声で言いました。
「キョーフ?」
「いえ、キョーホです」
「え?っキョーホ?競歩?あ〜あ〜競歩って、あの早く歩く、あの競歩?」
「はい」
彼はハサミを持った手を一瞬止めて、”そうか” というように大笑い。
「恐怖じゃなくって競歩かあ〜」
「はい、ふふふ」
私もさ、思わずおかしくて下を向いちゃったしょや。
髪をクルクルしていた美容師さんも手を休めて、
「やだ〜〜、んもう、この人(男性の美容師さんの事)ったら、耳が遠くてごめんなさいね」と彼女に言いました。
そこで思わず私も登場しちゃいました。
「私も、どんなに怖い先輩がいるのかと思っちゃった!」
私の美容師さんは「ですよね〜、ですよね〜」と言って、それから
4人のケラケラ笑う声が、BGMの静かなジャズをも一瞬聞こえなくしてしまいました。
なんだか、ちょっと、楽しい時間でした。
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髪の毛 カットしてもらっている時ってのは
何となく緊張するものですよね?
リラックスするって人もいるのかも知れないけれど?・・
知らない人に 大事な髪を切られる?
しかも男性 ちょっと照れちゃうなぁ みたいな 笑
場の空気が 和むって瞬間に出会えるって いいですよね
思いがけずってところがいいのかも?・・・笑
この間 イオ〇でお金を下ろすのにАTMに並んでいたところ
お金を下ろし その場から去っていく お母さんに手を繋がれた男の子が ATMに向かって バイバイと言って手をふったのでした
すごく めんこかったです 笑
「キョーフ」で思い出す「キョーフのみそしる」
漢字で書くと「今日麩の味噌汁」
年齢がばれそうな古いネタです。
他のネタもあったと思ったけどきれいさっぱり忘れちゃいました。
それよりも競歩の競技人口、少なそうに思ってたけど
競歩をやってる学生さんがいることに感動です。
下を向いて笑ったといえば、
この前、スーパーで小さい女の子が地団太踏みながら
ぎゃんぎゃん泣いてたので
「こりゃまた、絵に描いたようなだはん」と思って
思わず、下を向いてくすっと笑ってしまったのでした。
自分でも不思議に思うんですけど
「絵に描いたようなだはん」と思うと、
なんでかほのぼのしちゃって。
もう文章がうまくて
引き込まれて読んでしまいました
すみれ さんへ
私も最初、男性に髪を切られるのに照れちゃいました。
子供の頃は、いっつも床屋さんのおじさんだったのにね。
АTMにバイバイした男の子、かわいい!
そういう光景を見た時って、心がなごみますね。
「今日麩の味噌汁」!!おもしいです!
なるほどな~・・・
「絵に描いたようなだはん」て表現いいですね。
きっと、こんな感じなのかな~って光景が浮かびます。
湖の麓さんへ
え、うわあ、最後まで読んでくださったんですね、ありがとうございます。