北海道・札幌発・だべさ通信5

サツマイモのような八百屋のおじさん

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「お母さんここだよ、面白いおじさんがいる八百屋さんて」
長女の家の近所にある八百屋さんは、今では少なくなった個人商店の小さな店でした。
品台の上はだいたいに区切られているだけで、そこに、ほうれん草や大根なんかがキチンと並べられています。
キュウリはよく売れるのか、上の方はコロコロと斜めになってるね。
一山ごとのザルがないから、ブロッコリーと赤と黄色のパプリカと、小さなパックのプチトマトは、境目が混じりあって、みんなで井戸端会議をしているみたいです。
そのすき間に、手書きのポップがツンと立ってて、マジックで値段が書いてありました。プチトマト45円。
45円?!
「ね、安いでしょ」
「うわ、安いね~」

 

 

『おや、そこの姉妹のおふたり、いらっしゃい』
振り向くと、ほっぺたが赤くて、サツマイモみたいな小さなおじさんが立っています。
あら、おじさん、姉妹だなんて、ほほほ・・・
いきなりハートをグワシとわしづかみにされちゃったしょや。
それじゃあこのプチトマトもらおうかしら。
『これもどうだい?ラフランス2個入り、ちょっとキズもんだから150円!』
「ちょうだい!」
『パプリカは2個で・・・60円でいいや』
おじさん、そんな商売してて大丈夫かい。こっちの方が心配になっちゃうわ。

 

 

そのうち、赤ちゃんをだっこして、男の子の手をひいたお母さんが入ってきました。
『いらっしゃい!』
「おじさん、安いキュウリある?」
『あるよ~、ほれ』
おじさんは、後ろの箱から端っこを切り落としたりしてある形も大きさも色々のキュウリを両手で持ち上げ、
『200円だよ』と言いました。

そうか、もしかして安いキュウリとは、ちょっと日にちがたったものなのか。
「おじさんありがとうね、じゃあブロッコリーもちょうだい」
『はいよ、おい兄ちゃんおりこうだから、おじちゃんコレやっからな』
おじさんはそう言って、男の子に小さなアイスをほれと手渡すと、さっさと定位置に戻って、キュウリとブロッコリーをビニール袋に入れています。
男の子はきょとんとしてから、お母さんを見上げました。
”よかったね・・・”

 

 

おじさんのお店には、仕入れたばかりと思われるピンとしたほうれん草もあれば、ちょっとシナシナのキュウリもありました。
でも、ムダにしないで安く売ってくれると、とっても家計が助かるね。
私も子供達が食べ盛りの頃は、質より量が必要でした。

 

 

キュウリはちょうどお漬け物にしたかったところです。ちょっとしなびているくらいがちょうどいい。
「おじさん、私にも安いキュウリちょうだい?」
おじさんは、後ろの箱の底から、残っていた安いキュウリを両手で持ち上げ、
「はい、200円」と言いました。
1.2.3.4・・・・7本半!やったしょや!
キュウリは一晩で糠漬けができました。

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3 Comments

  1. チョイ悪爺ィや

    今時、ぬかづけをしているとはさすが「主婦の鑑」。大昔には我が家にも有ったなー。八百屋で「サツマイモ」は買いましたか。「栗(9里)」より旨い13里と言いますね。お昼は当然「焼き芋」で。今年、我が家で「サツマイモ」を植えて見ました。秋になったのはジャガイモみたいな小さな物が1個だけ。苗を打っているぐらいだから成ると想ったのがダメでした。(畑には素人のチョイ悪爺ィや)

    Reply
  2. ぽぷら

    チョイ悪爺ィや さんへ
    サツマイモの事を13里と言うのは知りませんでした。
    栗より旨い・・なるほど~!勉強になりました。
    買って食べなきゃ。
    ウチも初めて「サツマイモ」を植えたんですよ~!
    したらやっぱり、小さな物が1個だけでした。
    葉っぱはいっぱい出たのにね。

    Reply
  3. へろへろ

    商店街がだんだん少なくなりましたね。大きいスーパーができたりして商売も大変ですよね。お店の人とのやりとりも楽しみなんですけどね。最近あそこのおばあちゃん見かけないけど、具合でもわるくなきゃいいけどとか近所のつながりがもっと密だったような気がします。

    Reply

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