北海道・札幌発・だべさ通信5

優しさと集う

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ゴールデンウィークのしめくくりは、幼なじみの男女4人が、隠れ家みたいな居酒屋さん
で集いました。案内された席は、あんどんの灯りがほんのりとテーブルをともす、掘りごたつ式の小上がりです。
セピア色になっちゃった記憶を浮かび上がらせるのには、とっておきの空間だね。
母、妻、嫁とか、普段の自分の肩書きを、上着と一緒に脱いで置いたら、ほらね、もう昭和40年代になりました。

 

 

「手稲に引っ越して来た時は、家が広くて自分の部屋が持てて嬉しかったわ」弘子さんは、海鮮サラダをちょっとつまんで、懐かしそうに言いました。
あの頃は、田舎だったせいか集合住宅も広かったもね。

 

 

「けんちゃんたら、私のスカートめくったしょや」私はヘンな事をいつまでも覚えています。
「やったやった、ぽぷらちゃんは毛糸のパンツはいてたよな」
そ、そうだった、当時は母の手編みの毛糸のパンツを履いていた。けんちゃんも、そんな事よく覚えているね。
毛糸は別な物からほどいたものだから、クルクルとちじれています。だからラーメン毛糸って呼んでました。
それも寄せ集めのものを使うので、パンツはフタをあけた色鉛筆みたいな色をしていました。

 

 

私が「本当は、もっと奇麗なお姉さんとおしゃべりした方がよかったでしょうに」って言ったら、安田君は
「いやあ、気を使わなくっていいさ」なんて言ってくれる。
そうですか、ありがとうございます。
そんなこんなで、昭和の時間もあっという間に過ぎていきました。

 

 

お手洗いに立った時、鏡を見てハッとする。まゆげが半分ない。あら、話で夢中になっているうちに、手で顔を覆ったり、おしぼりで拭いちゃったりしたんだわ。
どうしよう・・・・・・って、な~んもさ。
みんな 一つや二つ持っている心の辛い部分には、あえて触れないという優しさが、大人になった証なのさ。

 

 

時間は11時半を過ぎました。
ただいま・・・
家に戻ると台所で水の音が聞こえてます。あら、旦那さんがお茶碗を洗ってる。
「はいお帰り」
「あら、お茶碗洗ってくれてんの?すいませんね」
「いいえ、どういたしまして」

 


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4 Comments

  1. まーさん

    おはようございます!
    朝からホカホカいい話を・・・・おかげで、これから元気に出勤できそうです。
    ケンちゃんのスカートめくり・・・・そうかそうか、好きな子に男ってやるんだよね・・ケイケン者、語る!
    ご主人の本当に温かな出迎え・・・ポプラさんの人柄かな!

    Reply
  2. dream

    いいなあ~ぽぷらさんの文章・・・。
    外は風が強くて唸りが聞こえますがいつもながらの
    ぽぷらさんのほっこりとした癒しのブログで
    今日もいい一日がはじまりそうです。

    Reply
  3. kakurega

    時として、母という肩書が私をしばります。
    言いたいことを言えない。
    言えば子供にとばっちりがくる。
    それがたまらなく苦しかったです。
    田舎の母は苦しいです。
    田舎が田舎として存在していくためには、自分の価値を高めることは不可能なので、他人を卑下することで自分のポジションを保つということもわかってきました。
    こんなだからこそ、田舎は不変なのでしょう。
    かな~り、横道コメントになりました。
    失礼しました。

    Reply
  4. ぽぷら

    まーさん へ
    まーさん、コメント有り難うございます。
    まーさんも経験者だったとは。
    御陰さまで、楽しい時間を過ごす事ができました。
    今でもこうして集まる事ができるのは、尊敬できる先生に巡り会えた御陰です。
    dreamさんへ
    dreamさん!ありがとうございます。
    今日はいい一日でしたか?
    私のおっちょこちょいが移ってしまうと、ドジが多くなります。ご注意をして下さいネ。
    kakuregaさんへ
    そうですね、言いたい事が言えない事が、間々ありますね。
    母も嫁も妻も、どの立場も、言いたい事を飲み込む事がありますね。
    正直な気持ちですよね。
    せめて、ブログで思う事を語りましょう。
    私も、最初は、そんな気持ちから始めました。

    Reply

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