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アイヌ文化交流センターは、札幌の南区、小金湯温泉のところにありました。
ここはアイヌ民族の資料が展示してある他にも、アイヌ文化の体験講座もできる施設だそうです。
モニタ画面に映し出されているのは、アイヌの人達が行なう儀式の様子です。
神様への祈りの儀式に使う器や、漁に使う槍の細工など、自然と共に工夫をこらして生きるアイヌの人たちの暮らしを感じることができる施設です。
鮭の皮で作った靴。
冬になったら、この中に毛皮のインソールを入れると、とても暖かいそうです。
実家の母が子どもの頃、母の叔父さんは石狩川の傍の生振(おやふる)に住んでいたそうで、叔父さんのアイヌの友人が履いていた鮭の靴を、犬がかじって持っていっちゃったっていう昔話しを、子どもだった母に笑いながら話してくれたそうです。
子どもだった母も、アイヌの人に船に乗せてもらったそうで、とっても船をあやつるのが上手だったと言っていました。
母からその話しを聞いていたので、私の頭の中には、勝手な靴のイメージが出来上がっていました。
でも実物は、私の考えていたイメージよりも、とても手が混んでいて立派でした。
私が特に興味を引かれたのが、アイヌの人たちが着ていた服。
あの独特の模様もさることながら、素材も色々です。
これはオヒョウという木(ハルニレに似ている)の樹皮を使った服。
そしてこれがオヒョウの繊維を織って布にしているところです。
これは、鮭の皮で作った服。
チェプウルといって、樺太、今のサハリンに住んでいたアイヌの人達が着ていたそうです。
そして、アイヌの人たちと言えば、独特の図柄が美しいアイヌ刺繍がほどこされた木綿の服です。
でも、どうしてこんな模様なんだろう。
それに、北海道で木綿が栽培された話は聞いたことがないし、ましてやアイヌの人たちは狩猟民族。
資料室の女性職員さんに訪ねてみることにしました。
あのすみませんが・・・
■ アイヌの人たちの服の作り方の種類
聞いていかった。女性の職員さんはとても丁寧に教えて下さったも。
「アイヌの刺繍は女性の仕事でした。色んな模様がありますが、これには何かの意味があるかとよく訪ねられるんですよ。
例えば家紋じゃないかとかね。魔除けとしての模様かもという説もありますが、もっとも考えられるのは、やはりデザインとしての模様です」
アイヌの女性たちも、現代の女性と同じく、おしゃれだったんですね。
「ただ、よく見てみると、服の作り方が違うことがわかりますよ。これは服の表布の上に大きな布をかぶせ、刺繍をしながら切り取っていく方法です」
なるほど、かぶせた布の面積が広いですね。
「こちらは、あらかじめ形に切ってある布をあてて刺繍を施す方法です」
なるほどなるほど、さっきの逆パターン。そう言われるとよくわかります。
「この服は刺繍のみですね。なので細かな刺繍模様も作れますね。道東のアイヌの人たちに多いタイプの服です」
左右対称の刺繍が細かくて美しいですね。
「刺繍の作り方は地域によって違っていたので、服を見ると、○○の所の人ですね・・・などと知ることができたわけです」
なーるほど!
今度からアイヌの人の服を見たときは、どこの場所の人たちかも見てみることにします。
展示されている服は触ってみてもいいそうなので、刺繍や布の感触がわかりますよ。
■ 狩猟民族のアイヌの人達がどうやって木綿を手に入れたのか
それにしてもアイヌの人たちは、どうやって木綿を手にいれたんですか?
「ずーっと昔から、和人や朝鮮の人たちと交易していたからなんです。外にある船、ご覧になりましたか?あのような、もっと大きな船で朝鮮半島など、いろんな所へ行っていたんですよ」
そうだったのか!
あとで調べましたら、琉球王国(沖縄)の人たちとも、古くから交易をしていたそうです。
■ アイヌの人々は本州にも沢山いた
アイヌ民族と言えば北海道と思いがちですが、もともとは東北にもたくさん住んでいました。
北海道新聞の記事によると、青森、岩手、秋田の3県にいたっては「シラヌカ」「オコッペ」など北海道と同じ名前の地名がいくつも残っているのはそのためだそうです。
結果的に、北海道に追いやられたということのようです。
もしかしたら、本州のもっと南の地域にもアイヌ語が残っているかもしれませんね。
『○○ナイ』とか『○○ベツ(ペツ)』の付いている所は、アイヌ語かもね。
ナイ、ベツ(ペツ)、は共に『川』を意味している言葉だそうです。
文字を持たなかったアイヌの人たちは、真実をなんぼねじ曲げられてきたことでしょう。
多くの場合、歴史は強い側が作るものだからね。
ここに来て、知らなかったことが一つわかると、いきなり大きな扉がまた1枚、開いたような気持ちになりました。
知らない世界が見えてくるって、わくわくしちゃうね。
札幌市アイヌ文化交流センター
入館料 大人 200円
〒061-2274 札幌市南区小金湯27番地
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私は実家が白老なのに ほぼ知らない領域でした 刺繍などは見かけたことがあり 色とりどりのパッワークと違いシンプルで独創的な図案 逞しさが伝わるというか 美しいなぁと思ってはいたのですが 色々ぽぷらさんのお蔭で学べました
鮭の皮の服や靴は 固くてパリパリしてなかったのかな?とか思ったのですが 物を大事にし丁寧に縫い繋ぎして上手に着こなし履きこなしていて 創意工夫が感じられ素晴らしいなと思いました
下から6番目の画像は フクロウに見え 羽の模様は四葉のクローバーに見えたのです~♪
素敵ですよね。
阿寒湖のアイヌの方にチェーンステッチで模様を刺していく
というお話を伺ったことがあります。
模様が北部ヨーロッパやツンドラ系の北方民族などと
共通性があるところも興味深いところです。
やっぱり身近な動植物や自然からデザインの着想を得ているのでしょうね。
アイヌだけでなくウィルタの模様もとても素敵ですよ。
それから、民族楽器のムックリは竹製だったはずだけど
どうやって竹を手に入れていたのかしらという疑問が
これですっきり解決です。
そういえば、干し柿の信州人が
信州にも山の奥地にアイヌが住む部落がいくつかあると話していましたよ。
和人である自分たちもアイヌのイナウとそっくりなものをこしらえて
神棚に供えたりする習慣が昔からあったそうで
道東旅行で阿寒のアイヌ資料館(?)に寄ってイナウをみた時には
そうとう驚いたそうです。
それから道東アイヌの囲炉裏の形は鳥居の形だそうです。
囲炉裏を知ってる信州人に教えてもらいました。
ストーブ生活の道民にはまったく気づかない事実でした。
すみれさんへ
アイヌの模様は美しいですね。
私も、鮭の皮の服は、犬とか熊とかにかじられないものかなあと思いました。
それと、確かに、フクロウに見えますね。見れば見るほどフクロウに見えて来ちゃいました。
もしかしてそうかも!
なるほどーーー。
もみじさんへ
イナウは、あのフサフサしたものですね。
ものすごーく勉強になりました。信州人の方はとっても驚いたんでしょうね。
道東アイヌの囲炉裏の形は鳥居の形というのにも。とても興味をひかれました。
見る機会があったなら、よーく見てみたいと思います。